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まず結論:愛知県の墓じまいは「移し先→許可→撤去」の順
愛知県で墓じまいを始めるなら、業者探しより前に遺骨の移し先を決めます。移し先が決まっていないと、市町村に改葬許可を申請できないからです。
- 申請先:お墓がある市町村の役所。名古屋市なら郵送でも申請できます
- 費用:墓所の面積と作業のしやすさで変わります。2〜3社の見積もりで総額を確かめましょう
- 最初の一歩:家族と親族の了解を得てから、お墓の管理者(お寺・霊園)へ連絡する
何から始めればいいか分からない人は、まず墓じまいの専門業者に相談して、全体の流れと費用の目安をつかむのが近道です。
愛知県でも「お墓を継がない」選択が増えている
遺骨を別の場所へ移す「改葬」は、令和4年度に全国で151,076件ありました(厚生労働省 衛生行政報告例)。墓じまいもこの中に入ります。
愛知県内でも、継承者のいらないお墓の受け皿が広がっています。名古屋市営のみどりが丘公園では、合葬式墓地として共同埋蔵墓8,000体分と個別埋蔵墓4,000体分が整備されています(名古屋市 みどりの年報2026)。
費用は「撤去工事」と「移し先」の2つで決まる
墓じまいの総額は、墓石の撤去工事と、遺骨の移し先の費用でほぼ決まります。ほかにお寺へのお布施や、寺院墓地なら離檀のお礼がかかることがあります。
| 費用の項目 | 金額を左右するもの |
|---|---|
| 墓石の撤去・整地 | 墓所の面積、重機が入れるか、搬出の距離 |
| 遺骨の移し先 | 合葬墓・樹木葬・納骨堂・手元供養のどれを選ぶか |
| 閉眼供養のお布施 | お寺との関係、地域の慣習 |
| 離檀のお礼(寺院墓地のみ) | お寺の考え方。支払い義務はない |
| 改葬許可の手数料 | 自治体によって無料、または遺骨1体ごとに数百円 |
依頼先は3タイプ。向き不向きがある
| 依頼先 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 地元の石材店に直接 | 工事内容を自分で比べて決めたい人 | 改葬手続きは自分で進めることが多い |
| 墓じまい代行業者 | 遠方に住んでいて、手続きもまとめて任せたい人 | 申請書類の作成代行は行政書士でないと業として行えない |
| 寺院・霊園の指定石材店 | 指定業者以外の工事が認められていない墓地 | 比較できないので、見積もりの内訳を必ず確認 |
お墓ごとに条件が違うため、金額は見積もりで確かめるしかありません。まず見積もりを取り、総額の見当をつけておきましょう。
手続きは7ステップ。申請の前に移し先を確保する
- 家族・親族の同意を取る:お墓に入っている故人と縁のある人に、先に話を通す
- お墓の管理者に伝える:お寺や霊園の管理事務所へ、墓じまいの相談をする
- 移し先を決めて契約する:合葬墓・樹木葬・納骨堂などを選び、受入証明書や使用許可証をもらう
- 撤去工事の見積もりを取る:2〜3社で比べ、内訳と追加費用の有無を確認する
- 埋蔵証明をもらう:今の墓地の管理者に、遺骨が納められていることを証明してもらう(申請書への記名押印、または埋蔵証明書)
- 改葬許可を申請する:お墓がある市町村に申請書を出し、改葬許可証を受け取る
- 遺骨を取り出し、撤去・返還・納骨:閉眼供養のあと工事をして墓所を返し、改葬許可証を移し先に出して納骨する
申請者は、ふつうは今のお墓の使用者(名義人)です。名義人以外が申請するときは、名古屋市では委任状が必要とされています(名古屋市 改葬)。
改葬許可の申請窓口:名古屋市は郵送で完結できる
改葬許可は、住んでいる場所ではなくお墓がある市町村に申請します。
名古屋市にお墓がある場合
名古屋市保健所生活衛生部環境薬務課へ郵送で申請でき、許可証も郵送で届きます(切手を貼った返信用封筒を同封)。お墓がある区の保健センターの窓口でも申請できます。
- 申請書:改葬許可申請書(PDF)・記入例(PDF)
名古屋市以外にお墓がある場合
申請書の様式や手数料は市町村ごとに違います。お墓がある市町村の公式サイトで「改葬」と調べると、申請書と手続きの案内が見つかります。
現地まで何度も足を運べない場合は、全国対応の業者に任せると、立ち会いや手配の負担が小さくなります。
遺骨の移し先は5種類。継ぐ人がいなければ合葬墓か樹木葬
お墓を継ぐ人の有無と、お参りの場所を残すかどうかで、移し先を選びます。
| 移し先 | 向いている人 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 公営の合葬墓 | 費用を抑えたい、継ぐ人がいない | 一度合葬すると遺骨を取り出せない |
| 樹木葬 | 自然の中で眠らせたい、継ぐ人がいない | 個別の区画がある期間は霊園ごとに違う |
| 納骨堂 | 駅近など、お参りしやすい場所がいい | 年間管理費がかかる施設もある |
| 海洋散骨 | お墓という形を残さなくていい | 親族全員の理解が要る。お参りの場所が残らない |
| 手元供養(自宅) | 故人をそばに置いて供養したい | 墓地から墓地への移動ではないため、手続きの扱いが自治体で違う |
愛知県内の公営墓地の例
- 名古屋市 みどりが丘公園(緑区):合葬式墓地に共同埋蔵墓8,000体分と個別埋蔵墓4,000体分を整備(名古屋市)
- 一宮市営墓地(常光墓地・奥町墓地・東島霊園):使用料は1㎡あたり9.8万〜15.3万円で、年間管理費はかかりません。ただし、市内の墓地からの改葬では申し込めません(市営墓地からの改葬を除く)(一宮市 市営墓地使用者募集)
自宅で供養したい人へ
遺骨を自宅に迎えて供養する「手元供養」を選ぶ人もいます。取り出した遺骨を、家の中に置ける小さなお墓に納める方法です。
自宅に引き取る場合は、改葬許可の扱いが墓地への移動と異なることがあります。申請前に、お墓がある市町村に確認してください。
業者は「見積もりの内訳」で選ぶ。比べるのは2〜3社
同じ工事でも、業者が変われば見積もりの金額も変わります。1社に絞る前に、次の5点を比べてください。
- 見積書に、撤去・運搬・処分・整地の内訳が分かれて書かれているか
- 見積もり後の追加費用がないと明記されているか
- 撤去した墓石を産業廃棄物として適正に処分すると説明しているか
- 改葬手続きのサポート範囲と、書類作成に行政書士が関わるか
- お墓の管理者に、指定石材店があるかを事前に確認したか
手続きから工事まで1社に任せたい人
お寺との調整や改葬の手続きもあわせて頼みたい人、とくに遠方に住んでいる人には、全国対応の代行サービスが合っています。
お寺が証明を出してくれないときも、改葬は進められる
墓じまいでよくあるのが、お寺に反対されて埋蔵証明をもらえないケースです。このような場合、市町村長が認めれば、埋蔵証明書に代わる書面で改葬を許可できます。厚生労働省は2026年1月に、代わりになる書面の考え方をQ&Aにまとめて自治体に通知しました(総務省 東北管区行政評価局)。証明を断られたら、まずお墓がある市町村の窓口に相談してください。
業者とのトラブルの相談先
見積もりや契約で業者ともめたときは、住んでいる市町村の消費生活相談窓口か、愛知県消費生活総合センターに相談できます。
トラブルを防ぐには、実績のある業者を選び、見積もりの内訳と追加費用が出ないかを先に確認しておくのが確実です。
出典:愛知県 消費生活相談窓口
よくある質問
Q. 愛知県外に住んでいても、愛知県のお墓を墓じまいできますか?
できます。申請先はお墓がある市町村です。名古屋市なら郵送でも申請できるので、現地に行く回数を減らして手続きを進められます。
Q. 改葬許可申請書を業者に書いてもらえますか?
行政書士でない人が、報酬をもらって役所への申請書類を作ることは、原則として行政書士法違反になると名古屋市は注意を呼びかけています。代行を頼むなら、行政書士が関わっているかを確認してください。
Q. 遺骨の移し先が決まっていなくても申請できますか?
多くの自治体では、移し先が決まっていないと改葬許可を申請できません。先に移し先を確保して、受入証明書や使用許可証をもらっておきましょう。
Q. 古いお墓で、誰が入っているか分からない遺骨があります。
分からない項目は「不明」と書いて申請できる自治体があります。お墓がある市町村に、書き方を確認してください。

