熱帯魚やメダカ、金魚を飼っていた水槽。生き物がいなくなって空になった水槽は、意外と場所を取ります。ガラスの重い本体に、ろ過フィルターやヒーター、照明、砂利や流木と、片付ける物がたくさんあり、どこから手をつければよいのか迷う方は少なくありません。
Yahoo!知恵袋にも「水槽は粗大ごみ?不燃ごみ?」「使い終わった砂利やソイルはどこに捨てればいい?」「飼えなくなった魚を川に放してもいい?」といった相談が寄せられています。
水槽は、ガラス製なら不燃ごみか粗大ごみ、アクリル製ならプラスチックごみか粗大ごみとして出すのが一般的です。周辺の機器や底砂は素材ごとに分けて出す必要があり、砂利やソイルは自治体で収集していないこともあります。飼っていた生き物を川や池に放すことは、生態系を壊すおそれがあり、法律で禁止されている種類もあります。
本記事では、水槽の処分方法と費用の目安、ガラス水槽とアクリル水槽の違い、フィルター・ヒーター・照明など周辺機器の分別、砂利やソイルの捨て方、飼えなくなった生き物の引き取り先、水槽を安全に片付ける手順まで、知恵袋に寄せられた声を交えて解説します。

水槽は何ごみ?
この章のポイント
- ガラス水槽は不燃ごみか粗大ごみ
- アクリル水槽はプラスチックごみか粗大ごみ
- 大きさで区分が変わる
水槽の区分は、素材と大きさで決まります。住んでいる自治体の分別表で「水槽」を確認しましょう。
| 水槽の種類 | 区分の例 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 小型のガラス水槽(30cm未満) | 不燃ごみ | 指定袋代のみ |
| 中型のガラス水槽(30cm〜60cm程度) | 粗大ごみ、不燃ごみ | 300円〜800円程度 |
| 大型のガラス水槽(60cm以上) | 粗大ごみ | 500円〜1,500円程度 |
| アクリル水槽 | プラスチックごみ、可燃ごみ、粗大ごみ | 指定袋代〜1,000円程度 |
| プラスチックの飼育ケース | プラスチックごみ、可燃ごみ | 指定袋代のみ |
| 水槽台(木製・金属製) | 粗大ごみ | 300円〜1,000円程度 |
一辺が30cmを超える物を粗大ごみとする自治体が目立ちます。一般的な60cm水槽は、ほとんどの自治体で粗大ごみの扱いになります。ガラス水槽は、飲み物のびんとは成分が違うため、びんの資源回収には出せません。
知恵袋に寄せられた相談
Yahoo!知恵袋には、次のような相談が投稿されています。
- 金魚が死んでしまったので、60cmの水槽を片付けたいが重くて動かせない
- 使い終わったソイルや砂利の捨て方が分からない
- 子どもが飼っていたミドリガメが大きくなりすぎて、家で飼えなくなった
回答では「水を全部抜いてから運ぶ」「砂利は自治体で回収しないので販売店に相談した」「カメは川に放さず、引き取り先を探すべき」といった声が目立ちました。
水槽の処分方法5つと費用の目安
この章のポイント
- 安く済ませるなら自治体のごみ
- 状態のよい水槽は売れる
- 大型水槽は回収業者も
処分方法は5つあります。水槽の大きさと状態で選びましょう。
| 処分方法 | 費用の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 自治体の不燃ごみ・粗大ごみ | 指定袋代〜1,500円程度 | 傷や汚れがある、値段がつかない |
| 熱帯魚店・アクアリウムショップの引き取り | 無料〜数千円 | 新しい水槽を買う、相談できる店がある |
| リサイクルショップ・フリマアプリ | プラスになる場合あり | 人気メーカー、傷が少ない、セット品 |
| 地域の掲示板で譲る | 無料 | 大型で送料が高い、引き取りに来てもらえる |
| 不用品回収業者 | 3,000円〜10,000円程度 | 大型で運び出せない |
1. 自治体のごみに出す
最も費用を抑えられる方法です。小型の水槽は不燃ごみ、指定袋に入らない物は粗大ごみとして申し込みます。ガラス水槽は、収集の際に割れないよう、梱包してから出しましょう。梱包の方法は後で詳しく紹介します。
2. 熱帯魚店やアクアリウムショップに相談する
熱帯魚店やアクアリウムショップの中には、水槽や周辺機器の引き取りを行っている店があります。新しい水槽を買う場合は、古い水槽を下取りしてくれることもあります。条件や料金は店ごとに違うため、事前に問い合わせてください。
3. リサイクルショップやフリマアプリで売る
ADA(アクアデザインアマノ)やGEX、コトブキなどの人気メーカーの水槽で、傷やコケの跡が少ない物は、中古でも需要があります。水槽とフィルター、照明がそろったセット品は、まとめて売ると評価が上がります。
フリマアプリで送る場合、ガラス水槽は割れやすく、送料も高くなります。小型の水槽以外は、地域の掲示板で直接引き取りに来てもらう方法がおすすめです。
4. 地域の掲示板で譲る
これからアクアリウムを始めたい人は、水槽を安く手に入れたいと考えていることが多くあります。ジモティーのような地域の掲示板で、引き取りに来てもらえる方に譲れば、送料も処分費もかかりません。
5. 不用品回収業者に依頼する
90cm以上の大型水槽や、水槽台と一緒に処分したい場合は、不用品回収業者に依頼する方法があります。大型の水槽は重く、1人で運ぶのは危険なため、無理をせず業者に任せましょう。一般廃棄物収集運搬業の許可の有無と、見積もりの内訳を確認してから依頼してください。
水槽を安全に片付ける手順
この章のポイント
- 水を抜いてから動かす
- 周辺の機器と中身を先に外す
- ガラス水槽は割れないよう梱包
水槽は、水が入ったままではとても重く、動かすとガラスが割れたり、床が水浸しになったりします。次の順番で片付けましょう。
水の重さを知っておく
水1Lの重さは約1kgです。一般的な60cm水槽には約57Lの水が入り、水槽本体や砂利を合わせると70kgを超えます。90cm水槽では150kg以上になることもあります。水が入ったままの水槽を動かそうとすれば、ガラスに力がかかって割れたり、腰を痛めたりする危険があります。
片付けの手順
- 電源を切り、ヒーター・フィルター・照明のコンセントを抜く
- ヒーターは水から出して、30分以上冷ます
- バケツとホースやポンプで水を抜く
- 流木、石、水草、底砂を取り出す
- フィルター、ヒーター、照明などの機器を外す
- 水槽の中を洗って乾かす
ヒーターは、電源を切った直後も高温になっています。水から出してすぐに触ると、やけどをしたり、ガラス管が割れたりすることがあるため、十分に冷ましてから外してください。
抜いた水は、浴室や台所の排水口、庭に流して問題ありません。水草や薬品を使っていた場合も、少量であれば排水口に流せます。
ガラス水槽の梱包
ガラス水槽を不燃ごみや粗大ごみに出す場合は、割れないように梱包します。ガラス面にガムテープを格子状に貼り、段ボールや新聞紙で包んで、外側に「キケン」「ガラス」と書いておきましょう。水槽の中に段ボールを入れておくと、外から押されても割れにくくなります。
水槽の片付けにかかる時間と段取り
この章のポイント
- 60cm水槽なら半日を見ておく
- バケツやホースなど道具を先にそろえる
- 水がこぼれても困らないよう床を養生
水槽の片付けは、思った以上に時間がかかります。段取りを決めてから始めると、慌てずに済みます。
用意する道具
- バケツ(2〜3個)
- 水を抜くホースか、灯油用の手動ポンプ
- 大きめのごみ袋と新聞紙、段ボール
- ゴム手袋
- 雑巾とタオル
- ガムテープと油性ペン
灯油用の手動ポンプは、水槽の水を抜くのにも使えます。灯油に使った物は、においが水槽に残るため、新しい物を用意してください。
床と家具を守る
水を抜く作業や、砂利を取り出す作業では、床に水がこぼれやすくなります。水槽の周りにレジャーシートやビニールシートを敷き、その上にタオルを置いておくと安心です。フローリングに水が長く残ると、しみや反りの原因になります。
作業時間の目安
30cm程度の小型水槽なら1時間程度、60cm水槽なら半日程度を見ておくとよいでしょう。90cm以上の大型水槽は、水抜きだけで数時間かかることがあります。一度に終わらせようとせず、水抜きと機器の取り外しを1日目、砂利と本体の処分を2日目と、分けて作業する方法もあります。
周辺機器と中身の分別
この章のポイント
- フィルター・ヒーター・照明は小型家電か不燃ごみ
- 砂利やソイルは自治体で収集しないことも
- 流木や水草は可燃ごみが一般的
水槽の周辺には、さまざまな機器や中身があります。素材ごとに分けて出しましょう。
| 物 | 区分の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 外部フィルター・上部フィルター | 小型家電の回収、不燃ごみ、粗大ごみ | 中のろ材は取り出す |
| ろ材(リングろ材・ウールマット) | 可燃ごみ、不燃ごみ | ウールは可燃、セラミックは不燃が一般的 |
| ヒーター・サーモスタット | 小型家電の回収、不燃ごみ | ガラス管が割れないよう包む |
| 水槽用照明(LED・蛍光灯) | 小型家電の回収、不燃ごみ | 蛍光管は外して別に出す |
| エアーポンプ・エアチューブ | 小型家電の回収、不燃ごみ、プラスチックごみ | チューブは素材に応じて分別 |
| 流木・水草 | 可燃ごみ | 指定の長さに切る、乾かしてから出す |
| 石・岩 | 不燃ごみ、自治体で収集しない場合も | 販売店に相談 |
| 砂利・ソイル・砂 | 自治体で収集しない場合が多い | 後の章を参照 |
フィルターやヒーターなどの機器
フィルターやヒーター、照明、エアーポンプなどの電気機器は、小型家電リサイクル法の対象品目です。小型家電の回収ボックスに入る物は無料で出せます。入らない物は不燃ごみか粗大ごみとして出しましょう。状態のよい機器は、水槽と一緒に売ったり譲ったりすれば、ごみを減らせます。
流木や水草
流木は木なので、可燃ごみとして出せる自治体が一般的です。大きな流木は、指定の長さに切ってから出します。水草は水を切り、乾かしてから可燃ごみに出しましょう。
砂利・ソイル・砂の捨て方
この章のポイント
- 土や砂は自治体で収集しないことが多い
- 少量なら庭にまく方法も
- 販売店や回収業者に相談
水槽の底に敷いていた砂利やソイル(土を焼き固めた粒)、砂は、片付けで一番困りやすい物です。
自治体で収集しないことが多い理由
土や砂、石は、自然に戻すものとして、ごみとして収集していない自治体が目立ちます。処理施設の焼却炉や破砕機で処理しにくいことも理由の一つです。少量であれば不燃ごみとして出せる自治体もあるので、分別表で「砂利」「土」を確認してください。
処分の方法
- 庭や花壇に混ぜる(ソイルは土に戻せる。砂利は水はけをよくする材料にも使える)
- ホームセンターや園芸店の土の回収サービスを利用する
- 熱帯魚店に引き取ってもらえないか相談する
- 不用品回収業者にまとめて依頼する
庭に混ぜる場合は、水槽で使った薬品や肥料が残っていないかを確認しましょう。公園や河川敷、空き地に捨てるのは不法投棄にあたるため、絶対にやめてください。土の捨て方は、別の記事でも詳しく紹介しています。
洗って再利用する
砂利やセラミックのろ材は、よく洗って乾かせば、再び水槽で使えます。将来ふたたびアクアリウムを始める予定がある場合は、袋に入れて保管しておく方法もあります。ソイルは使ううちに粒が崩れていくため、再利用には向いていません。
飼えなくなった生き物を放してはいけない
この章のポイント
- 外来生物の放流は生態系を壊す
- 法律で放流が禁止されている種類もある
- 引き取り先を探すか、最後まで飼う
水槽を片付ける理由が、生き物を飼えなくなったことである場合は、生き物の行き先も考えなければなりません。
川や池に放してはいけない理由
熱帯魚や外国産の魚、カメ、ザリガニなどを川や池に放すと、もともとその地域にいた生き物を食べたり、すみかを奪ったりして、生態系を壊すおそれがあります。日本の川に熱帯魚を放しても、冬の水温に耐えられずに死んでしまうことがほとんどです。
外来生物法では、生態系などに被害を及ぼすおそれのある特定外来生物について、野外に放すことを禁止しています。アカミミガメ(ミドリガメ)とアメリカザリガニは、2023年6月から「条件付特定外来生物」に指定され、ペットとして飼い続けることはできますが、野外に放すことは禁止されました。違反した場合は罰則の対象になります。
引き取り先を探す
- 熱帯魚店やペットショップに引き取りを相談する
- アクアリウムの愛好家や、地域の掲示板で飼ってくれる人を探す
- 学校や地域の施設で飼育してもらえないか相談する
- 自治体や動物園・水族館の相談窓口に問い合わせる
引き取り先がすぐに見つからない場合は、見つかるまで責任を持って飼い続けましょう。
亡くなった魚の扱い
飼っていた魚が亡くなった場合は、庭に埋めるか、可燃ごみとして出すのが一般的です。可燃ごみとして出す場合は、新聞紙や紙で包んでから袋に入れます。ペット霊園で、小さな生き物の火葬や供養を受け付けているところもあります。ペットの遺品の整理については、別の記事でも詳しく紹介しています。
水槽の処分についてよくある質問
水槽のガラスにひびが入ったら?
ひびの入った水槽に水を入れると、水圧でひびが広がり、突然割れて水があふれるおそれがあります。ひびを見つけたら、すぐに水を抜いて使用をやめてください。処分の際は、ひびの部分にもガムテープを貼り、割れないよう梱包してから出しましょう。
水槽をごみに出すとき、中を洗う必要はある?
ごみとして出す場合は、コケや汚れを完全に落とす必要はありません。においが出ないよう、水を抜いて軽く洗い、乾かしてから出しましょう。売る場合や譲る場合は、コケや水あかをきれいに落としておくと、評価が上がります。
水槽に使っていた薬品はどう捨てる?
魚の病気の薬や水質調整剤が残っている場合は、製品の注意書きに従って処分します。少量であれば、大量の水で薄めて排水口に流せる物が一般的ですが、製品によって違うため、表示を確認してください。
水槽台はどう捨てる?
木製や金属製の水槽台は、粗大ごみとして出すのが一般的です。組み立て式の物は、解体すれば運びやすくなります。水槽の重さに耐えられる丈夫な作りなので、状態のよい物は水槽と一緒に譲ったり売ったりできます。
水槽の処分方法についてまとめ
この記事のポイントをまとめます。
水槽の片付けは、水抜きと分別に手間がかかりますが、順番を守れば安全に進められます。周辺の機器や中身も、素材ごとに分けて出しましょう。
生き物を飼っていた場合は、最後まで責任を持って行き先を考えることが大切です。