家族写真を飾っていた写真立て、子どもの賞状を入れていた額縁、実家の床の間や廊下に掛けられていた絵画の額。額縁は、飾っている間は気にならなくても、片付けのときには意外と数が多く、ガラスや金具が付いているため、捨て方に迷いやすい品です。
Yahoo!知恵袋にも「額縁は燃えるごみ?燃えないごみ?」「ガラスの付いた額はどう捨てる?」「親が飾っていた絵は価値があるのか分からない」といった相談が寄せられています。
額縁は、木やプラスチック、金属の枠に、ガラスやアクリルの板、裏板、金具が組み合わされた製品です。分解して素材ごとに出すのが基本で、大きな額縁は粗大ごみになります。中に入っている絵や版画、賞状によっては、思わぬ価値があったり、捨てる前に家族で確認したほうがよかったりする物もあります。
本記事では、額縁と写真立ての処分方法と費用の目安、分解して素材ごとに出す手順、ガラスの扱い方、中身の絵や版画の価値の確かめ方、賞状や写真を手放すときの考え方、実家に飾られていた額を片付けるときの注意点まで、知恵袋に寄せられた声を交えて解説します。

額縁は何ごみ?素材ごとに分けるのが基本
この章のポイント
- 木の枠は可燃ごみ、金属の枠は不燃ごみ
- ガラスは不燃ごみ、アクリル板はプラスチックごみ
- 大きな額縁は粗大ごみ
額縁は、いくつかの素材でできているため、分解して素材ごとに出すよう求める自治体が一般的です。
| 部品 | 素材の例 | 区分の例 |
|---|---|---|
| 枠 | 木、プラスチック、アルミなどの金属 | 可燃ごみ、プラスチックごみ、不燃ごみ |
| 前面の板 | ガラス、アクリル | ガラスは不燃ごみ、アクリルはプラスチックごみか可燃ごみ |
| 裏板 | ベニヤ板、厚紙、MDF | 可燃ごみ |
| 金具・ひも | 金属、ひも | 不燃ごみ、可燃ごみ |
| マット(台紙) | 紙 | 可燃ごみ、古紙 |
| 写真立て(小型・一体型) | 木、プラスチック、ガラス | 不燃ごみ、可燃ごみ |
分解が難しい小さな写真立ては、そのまま不燃ごみで出せる自治体もあります。指定袋に入らない大きな額縁は、粗大ごみとして出すのが一般的で、手数料は200円〜1,000円程度が目安です。
知恵袋に寄せられた相談
Yahoo!知恵袋には、次のような相談が投稿されています。
- 引っ越しで写真立てや額縁が10個以上出てきた。まとめて捨てたいが分別が面倒
- 実家の廊下に掛かっていた大きな油絵の額縁を処分したい
- 祖父の書斎に版画がいくつも飾られていて、価値があるのか分からない
回答では「小さな写真立ては不燃ごみでまとめて出した」「大きな額は粗大ごみで数百円だった」「版画はサインや番号を確認して、画廊や買取店に見てもらうとよい」といった声が目立ちました。
額縁・写真立ての処分方法5つと費用の目安
この章のポイント
- 費用ゼロなら分解して家庭ごみ
- 大きな額縁は粗大ごみ
- 上質な額縁や中身の絵は売れることも
処分方法は5つあります。額縁の大きさと、中身に価値があるかどうかで選びましょう。
| 処分方法 | 費用の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 分解して家庭ごみ | 指定袋代のみ | 小〜中型の額縁、写真立て |
| 自治体の粗大ごみ | 200円〜1,000円程度 | 大きな額縁、分解が難しい |
| 額縁店・画材店・買取店に売る | プラスになる場合あり | 上質な木の額縁、未使用品 |
| 画廊・美術品の買取店 | プラスになる場合あり | 有名な作家の絵画や版画が入っている |
| 不用品回収業者 | ほかの品と合わせて数千円〜 | 実家の片付けでまとめて出す |
1. 分解して家庭ごみに出す
小〜中型の額縁は、分解して素材ごとに家庭ごみに出せば、費用はほとんどかかりません。分解の手順は後で詳しく紹介します。
2. 自治体の粗大ごみに出す
指定袋に入らない大きな額縁は、粗大ごみとして申し込みます。ガラスが付いたまま出す場合は、割れないよう、ガラス面にガムテープを貼り、段ボールで挟んでおきましょう。
3. 額縁店や買取店に売る
無垢材や金箔を使った上質な額縁、有名な額縁メーカーの製品は、額縁だけでも売れることがあります。未使用の額縁は、リサイクルショップやフリマアプリで買い手がつきやすい品です。
4. 画廊や美術品の買取店に相談する
中に入っている絵画や版画、書が、名のある作家の作品である場合は、画廊や美術品の買取店に相談してみましょう。価値の確かめ方は、後の章で詳しく紹介します。
5. 不用品回収業者に依頼する
実家の片付けで、額縁をほかの家財と一緒に処分したい場合は、不用品回収業者にまとめて依頼できます。業者によっては、価値のある絵画を買い取って、回収費用から差し引いてくれることもあります。一般廃棄物収集運搬業の許可の有無と、見積もりの内訳を確認してから依頼してください。
額縁を分解して出す手順
この章のポイント
- 裏の留め具を回して裏板を外す
- ガラスは手袋をして取り出す
- 金具やひもは別に分ける
額縁は、裏側の留め具を外せば、ほとんど工具を使わずに分解できます。
分解の手順
- 作業する場所に新聞紙やタオルを敷き、額縁を表を下にして置く
- 裏板を押さえている留め具(回転式の金具やくぎ)を外す
- 裏板を外し、中の絵や写真、マットを取り出す
- ガラスやアクリル板を、手袋をして慎重に取り出す
- 吊りひもや金具を、ドライバーやペンチで外す
古い額縁の中には、裏板を小さなくぎで留めている物があります。マイナスドライバーやペンチでくぎを起こして抜きましょう。抜いたくぎは、けがをしないよう、空き缶などに入れておきます。
ガラスの取り出し方と出し方
ガラスは、端が鋭くなっていることがあるため、必ず厚手の手袋をして扱ってください。取り出したガラスは、新聞紙で包み、袋の外から分かるよう「キケン」「ガラス」と書いて不燃ごみに出します。大きなガラスは、段ボールで挟んでガムテープで留めると、収集の際に割れにくくなります。
ガラスは、飲み物のびんとは成分が違うため、びんの資源回収には出せません。割れたガラスも、同じように包んで不燃ごみに出しましょう。
木の枠を出す
木の枠は、指定袋に入る長さであれば可燃ごみとして出せます。長い枠は、接合部分を外すか、のこぎりで切って短くしましょう。金箔や塗装が施された枠も、木製であれば可燃ごみで出せる自治体が一般的です。
中身の絵や版画の価値を確かめる
この章のポイント
- サインやエディション番号を確認
- 作家名で過去の取引価格を調べる
- 迷ったら画廊や専門の買取店へ
額縁の中身が、印刷のポスターなのか、作家が描いた原画や版画なのかで、価値は大きく変わります。捨てる前に、次の点を確認してみましょう。
確認したいポイント
| 確認すること | 見る場所 | 分かること |
|---|---|---|
| 作家のサイン | 作品の右下など、余白や画面の端 | 作家が分かれば価値を調べられる |
| エディション番号(例:15/100) | 版画の左下など | 限定部数の版画であることが分かる |
| 鑑定書・証明書 | 額縁の裏や、一緒に保管された書類 | 本物であることの証明になる |
| 購入時の領収書・画廊のシール | 額縁の裏 | 購入した店と当時の価格が分かる |
| 印刷か手描きか | 画面の表面を斜めから見る | 絵の具の盛り上がりがあれば手描きの可能性 |
鉛筆で書かれたサインとエディション番号がある版画は、作家が監修した限定作品であることを示しています。作家名が分かったら、インターネットで過去の取引価格を調べてみると、おおよその価値が分かります。
専門家に見てもらう
価値が分からない絵画や版画、書、掛け軸は、画廊や美術品の買取店、骨董店に相談しましょう。写真を送るだけで査定してくれる買取店もあります。複数の店で査定を受けると、適正な価格が分かります。遺品の骨董品や美術品を査定に出すときの注意点は、別の記事で詳しく紹介しています。
印刷のポスターやカレンダーの絵
印刷のポスターや、カレンダーを切り取って飾っていた絵は、一般的には売れる値段がつきません。思い入れがなければ、古紙として出しましょう。
絵画や額縁を売るときの梱包と運び方
この章のポイント
- ガラス面をテープと段ボールで守る
- 角は特に厚く保護する
- 大きな作品は出張買取を利用
価値のある絵画や上質な額縁を売る場合は、運ぶ途中で傷や割れが生じないよう、梱包に気を配りましょう。
ガラス面と角を守る
ガラスの付いた額縁は、ガラス面に養生テープを格子状に貼り、割れても破片が飛び散らないようにします。作品の表面にテープが直接触れないよう、ガラスを外して運ぶ場合は、作品の上に薄紙を当ててから梱包してください。額縁の角は、ぶつけると欠けたり、へこんだりしやすいため、段ボールを三角に折った角当てで保護しましょう。
立てて運ぶ
額縁は、平らに寝かせて上に物を載せると、ガラスが割れたり、作品が傷んだりします。車で運ぶ場合は、毛布でくるんで立てた状態で固定するのが安全です。宅配便で送る場合は、美術品や額縁の配送に対応したサービスを選びましょう。
大きな作品は出張買取を利用する
油絵の大作や、重い額縁に入った作品は、自分で運ぶと傷める心配があります。美術品を扱う買取店の出張買取を利用すれば、査定から運び出しまで任せられます。訪問の日時を決める際に、作品の大きさと点数を伝えておきましょう。
飾る物を厳選して、額縁を増やさない
この章のポイント
- 飾る場所と数を先に決める
- 季節や行事で入れ替える
- データのフォトフレームも選択肢
額縁や写真立ては、贈り物でもらったり、行事のたびに増えたりして、気づくと家じゅうに飾られていることがあります。片付けのあとは、飾る物を厳選して、額縁を増やさない工夫をしましょう。
飾る場所と数を決める
「リビングの棚に3つまで」「玄関に1つ」など、飾る場所と数を先に決めておくと、物が増えにくくなります。新しい写真を飾るときは、古い写真と入れ替えれば、額縁の数は増えません。
デジタルフォトフレームを使う
たくさんの写真を飾りたい場合は、デジタルフォトフレームも選択肢になります。1台で何百枚もの写真を順番に表示できるため、額縁を何個も並べる必要がありません。
賞状・写真・子どもの作品を手放すとき
この章のポイント
- 写真やスキャンでデータに残す
- 家族で残す物を選ぶ
- 手放すときは個人情報に配慮
額縁の中身が、家族の賞状や写真、子どもの作品である場合は、捨てる前に気持ちの整理が必要なこともあります。
データに残してから手放す
賞状や写真、子どもの絵は、スマートフォンで撮影するか、スキャナーで取り込めば、データとして残せます。データにしておけば、場所を取らずに、いつでも見返せます。大きな作品は、写真を撮ってから、手元に残す一部だけを選ぶ方法もあります。子どもの作品の整理方法は、別の記事で詳しく紹介しています。
個人情報に配慮する
賞状には、名前や学校名、会社名が書かれています。そのまま捨てるのが気になる場合は、名前の部分を切り取るか、シュレッダーにかけてから古紙や可燃ごみに出しましょう。家族の写真も、細かく切ってから捨てると安心です。故人の写真の処分については、別の記事で詳しく紹介しています。
実家の額縁を片付けるときの注意点
この章のポイント
- 壁から外すときは2人で
- 額縁の裏に書類や写真が隠れていることも
- 飾っていた跡の壁のよごれにも注意
親の家には、床の間や廊下、応接間に、大きな額縁や絵画が飾られていることがあります。
高い場所の額縁は2人で外す
壁の高い位置に掛けられた大きな額縁は、重く、外すときに落とすとガラスが割れて危険です。脚立を使い、1人が額縁を持ち上げ、もう1人が下で受け取るようにしましょう。ひもが古くなって切れかけている場合もあるため、ゆっくり持ち上げて外してください。
額縁の裏も確認する
額縁の裏板と作品の間に、手紙や写真、古い証書などが挟まっていることがあります。分解の際は、中身を一枚ずつ確認してから処分しましょう。思いがけない家族の記録が見つかることもあります。
飾っていた跡の壁
長年額縁を飾っていた壁は、額縁の部分だけ日焼けせずに色が残っていたり、くぎやフックの穴が開いていたりします。家を売却したり、賃貸住宅を退去したりする場合は、壁の補修が必要になることがあります。賃貸住宅では、くぎの穴の扱いが契約によって違うため、管理会社に確認してください。
額縁の処分についてよくある質問
写真立てはそのまま捨ててもいい?
小さな写真立ては、分解せずにそのまま不燃ごみとして出せる自治体が一般的です。ガラスが付いている場合は、割れないよう新聞紙で包み、「キケン」と書いて出しましょう。中の写真は、取り出して別に保管するか、細かく切ってから捨ててください。
アクリル板の額縁は何ごみ?
アクリル板はプラスチックの一種なので、プラスチックごみか可燃ごみとして出すのが一般的です。ガラスと違って割れにくいため、扱いは比較的簡単です。枠は素材に応じて分別しましょう。
額縁を再利用する方法は?
額縁は、中身を入れ替えれば、別の写真や絵、子どもの作品を飾るのに使えます。コルクボードや黒板シートを入れて、メモを貼る掲示板にする方法もあります。使わない額縁は、地域の掲示板やフリマアプリで、必要な人に譲ることもできます。
古い掛け軸も同じように捨てられる?
掛け軸は、紙や布でできているため、可燃ごみとして出せる自治体が一般的です。軸の両端の軸先が陶器や象牙でできている場合は、外して別に分別します。古い掛け軸の中には、価値のある書画もあるため、捨てる前に骨董店や買取店で査定を受けてみてください。
額縁のガラスが割れていたら?
割れたガラスは、厚手の手袋を着けて大きな破片から拾い、新聞紙や厚紙で包んで「キケン」「割れたガラス」と書き、不燃ごみに出します。細かい破片は、粘着テープを押し当てて取りましょう。枠と裏板は、素材ごとに分けて出してください。
額縁・写真立ての処分方法についてまとめ
この記事のポイントをまとめます。
額縁の処分は、分解して素材ごとに分ければ、費用をかけずに済ませられます。中に入っている作品や思い出の品は、価値と気持ちの両方を確かめてから、手放すかどうかを決めましょう。
飾る物を厳選すれば、お気に入りの写真や絵がより引き立ち、部屋の印象もすっきりします。