家族が亡くなった後、手元に残ったスマートフォン。毎月の利用料金はかかり続けるものの、写真や連絡先が入っていると思うと、すぐに解約する決心がつかない方も多いのではないでしょうか。
Yahoo!知恵袋にも「亡くなった父の携帯の解約に必要な物は?」「解約したら中の写真は見られなくなる?」「パスコードがわからずロックを解除できない」といった相談が数多く寄せられています。
故人のスマートフォンは、携帯電話会社での解約手続きと、端末に残ったデータの扱いを分けて考えることが大切です。解約しても端末の中のデータがすぐに消えるわけではありませんが、パスコードがわからないと中身を取り出すのは難しくなります。解約の前に、必要なデータや契約を確認しておきましょう。
本記事では、故人のスマートフォンを解約する手続きと必要書類、解約前に確認しておきたいこと、ロックを解除できないときの対処法、端末の処分方法まで、知恵袋に寄せられた声を交えて詳しく解説します。

故人のスマートフォンは解約が必要
この章のポイント
- 解約しない限り利用料金がかかり続ける
- 死亡による解約は違約金がかからないのが一般的
- 名義を引き継いで使い続けることもできる
契約者が亡くなっても、携帯電話の契約は自動的には終了しません。解約手続きをしない限り、毎月の基本料金やオプション料金が、故人の口座やクレジットカードから引き落とされ続けます。口座が凍結されると料金が未払いになり、相続人に請求が届くこともあるため、早めに手続きをしましょう。
解約するか名義を引き継ぐか
故人のスマートフォンの契約は、解約するほかに、家族が名義を引き継いで使い続ける「承継」という方法もあります。電話番号をそのまま使いたい場合や、端末の分割払いが残っている場合に選ばれることがあります。承継の手続きは、大手の携帯電話会社であれば、解約と同じくショップの窓口で行えます。
解約金や端末の残債
契約者の死亡による解約の場合、大手の携帯電話会社では、契約期間の途中でも解約金(違約金)がかからないのが一般的です。
格安SIMの会社では、死亡による解約の扱いが会社ごとに異なるため、契約内容を確認しておきましょう。故人がどの会社と契約していたかわからない場合は、スマートフォンに差し込まれたSIMカードや、郵便物、銀行口座の引き落とし履歴から確認できます。
端末の分割払いが残っている場合は、残りの金額を一括で支払うか、相続人が分割払いを引き継ぐことになります。残債の金額は、解約手続きの際に窓口で確認できます。
知恵袋に寄せられた声
Yahoo!知恵袋には、次のような相談が投稿されています。
- 母が亡くなって3か月、携帯電話の解約を忘れていて料金が引き落とされ続けていた
- 父のスマートフォンを解約したら、LINEの写真が見られなくなるのではと心配
- パスコードがわからず、父の写真を取り出せないまま1年がたってしまった
回答では「解約しても端末に保存されたデータは消えない」「解約前にWi-Fiで写真をバックアップしておくべき」「ロック解除はキャリアでもできないので、生前に共有しておくことが大切」といったアドバイスが目立ちました。
解約手続きの流れと必要書類
この章のポイント
- 大手キャリアはショップで手続き
- 格安SIMはオンラインや電話で手続き
- 死亡の事実がわかる書類を用意
故人のスマートフォンの解約は、契約している携帯電話会社によって手続きの方法が異なります。
| 契約先 | 手続きの方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク) | ショップの窓口で手続き(事前予約がおすすめ) | 楽天モバイルやワイモバイルなどもショップで対応 |
| 格安SIM(MVNO) | 電話窓口やオンライン、郵送で手続き | 店舗がない会社が多く、必要書類を郵送する場合も |
| 固定電話・光回線 | 各社のサポート窓口に電話 | スマートフォンとセット契約の場合は同時に確認 |
一般的に必要な書類
解約手続きに必要な書類は会社によって異なりますが、一般的には次のような物が求められます。事前に契約先のホームページや電話で確認しておきましょう。
- 契約者が亡くなったことがわかる書類(死亡診断書の写し、除籍謄本、死亡の記載がある住民票など)
- 手続きに来る人の本人確認書類(運転免許証など)
- 故人のスマートフォン本体やSIMカード(あれば)
- 手続きに来る人と故人の関係がわかる書類(戸籍謄本など、求められた場合)
死亡の事実がわかる書類は、原本の提示を求められる場合と、コピーで受け付けてもらえる場合があります。役所や銀行の手続きでも同じ書類を使うため、死亡診断書の写しは複数枚コピーを取っておくと便利です。
手続きに来る人は、相続人や家族であれば問題ないのが一般的です。解約後にSIMカードの返却が必要な会社もあるため、端末に差し込まれたSIMカードは処分せずに持参しましょう。
解約の前に確認しておきたいこと
この章のポイント
- 写真や連絡先のバックアップ
- ネット銀行やネット証券の口座
- サブスクや有料アプリの契約
故人のスマートフォンには、家族の知らない大切な情報が残っていることがあります。解約する前に、次の点を確認しておきましょう。
写真・動画・連絡先のバックアップ
解約してSIMカードが使えなくなっても、端末に保存された写真や動画、連絡先はすぐには消えません。Wi-Fiにつなげば、写真のバックアップやアプリの操作もできます。
気をつけたいのは、Googleフォトや iCloudなどクラウドに保存されたデータです。クラウドサービスのアカウントが削除されると、保存されていた写真が見られなくなることがあります。家族で残したい写真は、パソコンや外付けハードディスクに保存しておきましょう。
ネット銀行・ネット証券・電子マネー
通帳のないネット銀行やネット証券の口座、スマートフォン決済の残高、ポイントなどは、スマートフォンのアプリを確認しないと存在に気づけないことがあります。相続財産を正しく把握するためにも、アプリの一覧を確認し、利用していたサービスを書き出しておきましょう。
サブスクや有料アプリの契約
動画配信サービスや音楽配信、クラウドストレージ、ニュースアプリなど、月額料金がかかるサブスクリプションは、携帯電話の料金とは別に請求されていることが多く、解約しないと料金が引き落とされ続けます。App StoreやGoogle Playの定期購入の一覧、クレジットカードの利用明細を確認し、不要な契約は解約手続きを進めましょう。
LINEやSNSのアカウント
LINEのアカウントは、携帯電話を解約しても自動的には削除されません。故人のアカウントを家族が引き継ぐことはできないため、LINEの問い合わせフォームからアカウント削除の申請をすることになります。FacebookやInstagramでは、故人のアカウントを「追悼アカウント」に切り替えて、思い出を残すこともできます。
パスコードがわからないときの対処法
この章のポイント
- 携帯電話会社でもロック解除はできない
- 専門業者によるデータ抽出は高額になりがち
- 生前の備えが一番の対策
故人のスマートフォンにパスコードが設定されていて開けないというのは、遺族からよく聞かれる悩みです。
携帯電話会社やメーカーでは解除できない
スマートフォンのパスコードは、セキュリティ上の理由から、携帯電話会社やメーカーでも解除できないのが原則です。何度も推測して入力を間違えると、端末がロックされたり、設定によってはデータが消去されたりするおそれがあるため、むやみに試すのは避けましょう。
専門業者によるデータ抽出
どうしても写真などのデータを取り出したい場合は、デジタル遺品の調査やデータ復旧を行う専門業者に相談する方法があります。とはいえ、機種やOSのバージョンによっては取り出せないこともあり、費用も数万円〜数十万円と高額になりがちです。依頼する前に、成功した場合と失敗した場合の料金を確認しておきましょう。
生前にできる備え
iPhoneでは、iOS 15.2以降で「故人アカウント管理連絡先」を設定しておくと、亡くなった後に指定した家族がApple IDのデータにアクセスできるようになります。Googleアカウントにも、一定期間使われなかった場合に指定した人へデータを共有する「アカウント無効化管理ツール」があります。
家族のスマートフォンのパスコードや、利用しているサービスの一覧を、エンディングノートに書いておいてもらうのも有効です。生前整理の一環として、元気なうちに話し合っておきましょう。
あわせて確認したい固定電話・ネット回線の解約
この章のポイント
- 固定電話は承継か解約かを選ぶ
- 光回線やプロバイダは別契約のことが多い
- スマートフォンとのセット割引も確認
故人が一人暮らしだった場合や、実家じまいを予定している場合は、スマートフォンと一緒に固定電話やインターネット回線の契約も確認しておきましょう。
| 契約 | 主な連絡先 | ポイント |
|---|---|---|
| 固定電話(加入電話) | NTT東日本・NTT西日本など | 電話加入権を承継するか、解約(利用休止)するかを選ぶ |
| 光回線 | NTTや電力会社系、ケーブルテレビ会社など | レンタル機器の返却が必要なことが多い |
| プロバイダ | 回線とは別の会社と契約していることがある | メールアドレスが使えなくなるため、必要な連絡先を控えておく |
| ケーブルテレビ・衛星放送 | 各社のサポート窓口 | チューナーなどのレンタル機器を返却する |
光回線とプロバイダ、スマートフォンをセットで契約して割引を受けている場合、どれか一つを解約した場合、ほかの契約の料金が上がることがあります。家族が引き続き住む場合は、どの契約を残すかを整理してから手続きしましょう。
レンタルしていたルーターやモデムは、返却しないと機器代金を請求されることがあります。解約の際に返却方法を確認し、期限内に送り返しましょう。
故人の携帯電話に届く連絡への対応
この章のポイント
- 解約前に訃報を伝えたい相手を確認
- 留守番電話やメッセージを確認する
- 解約後は番号が一定期間後に再利用される
故人のスマートフォンには、亡くなったことを知らない知人や友人から連絡が届くことがあります。解約する前に、連絡帳やメッセージの履歴を見て、訃報を伝えるべき相手がいないか確認しておくと、失礼にならずに済みます。
留守番電話やショートメッセージには、故人の仕事の関係者や、支払いに関する連絡が残っていることもあります。未払いの請求や、解約が必要な契約の手がかりになる場合もあるため、目を通しておきましょう。
解約した電話番号は、一定期間を過ぎると別の人に割り当てられることがあります。故人の番号を使ってほかのサービスに登録していた場合は、ログインや本人確認ができなくなる前に、必要な手続きを済ませておくことも大切です。
解約後の端末の処分方法
この章のポイント
- 初期化してから処分する
- 携帯電話会社の回収ボックスを利用
- 自治体の小型家電回収も選べる
必要なデータを取り出し、解約手続きが終わった端末は、次の方法で処分できます。
| 処分方法 | 費用 | ポイント |
|---|---|---|
| 携帯電話会社のショップで回収 | 無料 | 店頭で端末を物理的に破壊してくれるサービスもある |
| 自治体の小型家電回収ボックス | 無料 | 個人情報を消去してから投入する |
| 買取業者・中古スマホ店 | 無料〜買取額がつくことも | 製造から年数が浅い機種、初期化とアカウントの解除が必要 |
| 形見として保管する | 無料 | 写真や連絡先を残したまま手元に置いておく |
処分する前には、端末を初期化して個人情報を消去しておきましょう。iPhoneの場合は「探す」機能をオフにしてApple IDからサインアウトし、Androidの場合はGoogleアカウントを削除してから初期化します。パスコードがわからず初期化できない場合は、携帯電話会社のショップで端末を物理的に破壊してもらうと安心です。
故人のスマートフォンについてよくある質問
解約しないで端末だけ残しておくことはできる?
解約した後も、端末そのものは手元に残せます。Wi-Fiにつなげば写真を見たり、アプリを使ったりすることもできます。形見として保管しておく家族も少なくありません。
解約の期限はある?
解約に期限はありませんが、手続きをしない限り料金がかかり続けます。葬儀や役所の手続きが落ち着いたら、なるべく早めに解約しましょう。
電話番号をそのまま家族が使うことはできる?
名義変更(承継)の手続きをすれば、家族が電話番号を引き継いで使うことができます。故人の電話番号に連絡してくる知人がいる場合、しばらく残しておいて訃報を伝える家族もいます。
遠方に住んでいてショップに行けない場合は?
自分の住まいの近くにある同じ携帯電話会社のショップでも、解約の手続きができるのが一般的です。格安SIMであれば、電話や郵送で手続きできる場合もあります。
故人のスマートフォンの料金は誰が払う?
亡くなった日までの利用料金は、故人の債務として相続人が支払うのが一般的です。口座が凍結されて引き落としができない場合は、携帯電話会社から相続人に請求書が届きます。相続放棄を検討している場合は、支払い方法について専門家に相談しましょう。
キャリアメールのアドレスはどうなる?
携帯電話を解約した時点で、キャリアメールのアドレスは使えなくなります。故人のキャリアメールで登録していたサービスがある場合は、解約前にログイン情報や登録内容を確認しておきましょう。
故人のスマートフォンの解約と処分についてまとめ
この記事のポイントをまとめます。
故人のスマートフォンには、家族の思い出と、相続に関わる大切な情報が詰まっています。慌てて解約する前に中身を確認し、必要な手続きを一つずつ進めていきましょう。
自分や家族のスマートフォンについても、この機会にパスコードやサービスの一覧を共有しておくと安心です。