安来節のどじょうすくいや、日本庭園で名高い足立美術館で知られる島根県東端の安来市。実家が安来市にあるものの自分は遠方で暮らしていて、親が亡くなった後の空き家をどうすべきか悩んでいる——そんな相談が年々増えています。
空き家は放置するほど倒壊や不法侵入のリスクが高まり、近隣トラブルの原因にもなりかねません。とはいえ、いざ解体工事を検討しても「安来市でも補助金は使えるのか」「費用がどれくらいかかるのか」という不安を抱える方がほとんどではないでしょうか。
この記事では、安来市で解体工事を依頼できるおすすめ業者7選に加え、令和8年度から10年度は特例期間として上限が引き上げられ、不良住宅なら最大120万円、旧耐震基準の建物でも最大100万円が補助される安来市の制度、見落としがちな法的手続きまで、実家じまいを控えた方向けにまとめて解説します。
この記事のポイント
- 安来市の木造解体の実勢坪単価は約45,500円(変動幅29,818円〜67,176円)が目安
- 安来市の「老朽危険空き家等除却助成事業」は、不良住宅・空き建築物なら解体費用の5分の4以内。上限は100万円ですが、令和8〜10年度は特例期間で上限120万円
- 昭和56年5月31日以前の旧耐震基準建築物は、3分の1以内。上限は50万円ですが、令和8〜10年度は上限100万円。幅員4m未満の道路沿いの他の建物等も撤去するなら、上限に10万円を加算
- 解体費用は、標準除却費(令和8年度は1平方メートルあたり36,000円)が限度。市の職員が不良度を点数化して、老朽度を判定する
- 契約を結んだ時点が着手とみなされ、交付決定の前の契約は対象外。予算額に達した時点で受付終了。令和8年度から、解体後の跡地の固定資産税を軽減する制度も新設
実家じまいならこの順番で進めるのがおすすめです
- 安来市建築住宅課の空き家対策係(0854-23-3343)に、事前に相談する
- 対象の建築物(不良住宅、空き建築物、旧耐震基準建築物)のどれに当たるか、市の職員による判定を受ける
- 建築工事業・土木建設業・解体工事業の許可、または島根県知事の解体工事業登録を持つ業者から、見積もりを取る
- 交付申請書(様式第1号)と誓約書(様式第2号)などを提出し、交付決定を受けてから、業者と契約する
- 年度の2月末日までに、実績報告書(様式第7号)を出し、交付請求書(様式第9号)で請求する
安来市の解体業者 比較早見表
| サービス名 | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|
| 解体無料見積ガイド | 一括見積もり | 2011年運営開始の老舗サービス |
| 解体工事110番 | 一括見積もり | 比較のプロが選んで紹介 |
| 解体工事一括net | 一括見積もり | 複数業者へ一括で見積もり依頼が可能 |
| 解体工事比較ナビ | 一括見積もり | 比較しやすいポータル画面 |
| 解体の窓口 | 一括見積もり | 東証グロース上場企業運営 |
| 解体相談所 | 一括見積もり | ポータル型、比較がしやすい |
| 株式会社コーケン | 直接依頼 | 安来市の廃棄物処理・解体会社、島根県・鳥取県の解体工事業の登録を持つ |
【7選】安来市の解体工事業者を徹底比較
まずは複数社を比較したい方向け|一括見積もりサービス6選
1. 解体無料見積ガイド

2011年から運営を続ける老舗サービスです。公式サイトでは「累計契約成立件数No.1」と案内されています。全国1,000社以上の中から独自審査をクリアした優良業者のみを紹介しており、地域の相場感を把握するのに役立ちます。
| 運営会社 | 一般社団法人あんしん解体業者認定協会 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(安来市含む) |
| 特徴 | 2011年運営開始の老舗サービス、補助金申請サポート無償 |
2. 解体工事110番

条件に合った解体業者を、比較のプロが選んで紹介してくれるサービスです。24時間365日受付対応なので、急いで見積もりを取りたい方にも向いています。
| 運営会社 | シェアリングテクノロジー株式会社 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(安来市含む) |
| 特徴 | 比較のプロが選んで紹介、24時間365日受付 |
3. 解体工事一括net

複数の解体業者へ同時に見積もり依頼ができる比較サービスです。一度の依頼で複数社の相場を把握でき、業者ごとに個別連絡する手間を省けます。
| 運営会社 | サンライフ株式会社 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(安来市含む) |
| 特徴 | 複数業者へ一括で見積もり依頼が可能 |
4. 解体工事比較ナビ

見積もり内容を比較しながら業者を選べるポータルサイトです。比較画面がシンプルなので、初めて解体業者を探す方でも検討しやすい設計になっています。
| 運営会社 | 株式会社サフタ |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(安来市含む) |
| 特徴 | 比較しやすいポータル画面 |
5. 解体の窓口

東証グロース市場に上場するバリュークリエーション株式会社が運営するマッチングサービスです。全国2.2万人以上の利用実績があり、解体後の土地活用や売却まで一貫してサポートしてもらえるのが強みです。
| 運営会社 | バリュークリエーション株式会社(東証グロース上場) |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(安来市含む) |
| 特徴 | 利用実績2.2万人超、解体後の土地活用まで対応 |
6. 解体相談所

複数の解体業者へ一度に見積もり依頼・比較ができるポータルサイトです。シンプルな比較画面で、初めて解体工事を検討する方でも直感的に使えます。
| 運営会社 | madoguchi株式会社 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(安来市含む) |
| 特徴 | シンプルな比較画面、複数業者へ一度に依頼可能 |
地元業者に直接依頼したい方向け|安来市の解体会社
7. 株式会社コーケン
安来市下坂田町に本社を構え、一般・産業廃棄物の処分、運送、土木・解体工事を手掛けている会社です。島根県知事の解体工事業の登録(登-4 第190号)と、鳥取県知事の登録を持ち、空家の解体や土地造成、草・木の処理にも対応しています。産業廃棄物の収集運搬は、中国地方を中心に複数の府県で許可を受けています。
| 所在地 | 島根県安来市下坂田町290-5 |
|---|---|
| 電話番号 | 0854-23-7340 |
| 特徴 | 代表取締役鷲見英輔、島根県知事登録(登-4)第190号・鳥取県知事登録(解体-4)第150号(解体工事業)、一般・産業廃棄物処分業、空家の解体、土地造成、草・木処理、三光グループの一員 |
安来市の解体工事費用相場
安来市の実勢坪単価(解体無料見積ガイドの実績データ)
一般的な相場表ではなく、安来市で実際に行われた解体工事の実績データを見てみましょう。
| 建物構造・工事種別 | 坪単価(実勢価格) | 現場状況による変動幅 |
|---|---|---|
| 木造 | 45,500円 | 29,818円〜67,176円 |
| 鉄骨造 | 37,353円 | 34,064円〜40,101円 |
| RC造 | 82,500円 | 55,000円〜110,000円 |
| 内装解体 | 47,500円 | 15,000円〜80,000円 |

例えば木造30坪の住宅を解体する場合、本体工事費の目安は136万5,000円です。実際の総額は、残置ゴミ・樹木・ブロック塀などの撤去を含む付帯工事費が加わることで変わってくるため、複数社から見積もりを取って比較することをおすすめします。
安来市で使える解体工事の補助金・助成金
安来市には、老朽化して危険な空き家等の解体費を補助する制度があります。令和8年度から10年度までは特例期間として、上限額が引き上げられています。建物の種類によって、補助率と上限が変わる点が特徴です。
不良住宅は5分の4・最大120万円、旧耐震は3分の1・最大100万円(令和8〜10年度)
- 不良住宅・空き建築物:解体費用(標準除却費が限度)の5分の4以内。上限100万円(令和8年度から令和10年度までは特例期間として上限120万円)
- 旧耐震基準建築物:解体費用(標準除却費が限度)の3分の1以内。上限50万円(令和8年度から令和10年度までは特例期間として上限100万円)
- 標準除却費:令和8年度は1平方メートルあたり36,000円
- 上限額の加算:建物の解体に併せて、幅員4メートル未満の道路沿いにある他の建物・工作物・樹木等を撤去する場合は、上限額に10万円を加算
- 対象者:個人のうち、安来市税に滞納がない人で、対象建物の所有者、その相続人、または対象建物がある土地の所有者(所有者や相続人、共有者から除却について同意を得ている場合に限る)
- 不良住宅の要件:主として住居として使われる木造住宅で、著しく老朽化し、今後も住む見込みがないもの。市の職員が不良度を点数化して判定。周囲に対する危険性が高いと市が認めるもの
- 空き建築物の要件:1年以上使用されておらず、今後も従来の用途で使う見込みがない建物。敷地全体のその他の建築物を1年以上使用していない。解体後の土地を、10年以上地域活性化のために計画的に利用する予定があるもの(跡地利用計画が必要)
- 旧耐震基準建築物の要件:昭和56年(1981年)5月31日以前に新築または着工され、1年以上使用していない住宅。周囲に対する危険性が高いと市が認めるもの。不良住宅に該当するものは対象外
- 対象工事:建築工事業・土木建設業・解体工事業の許可、または島根県知事の解体工事業登録を受けた業者が施工する建物本体の解体・撤去工事。申請日の属する年度の2月末日までに実績報告を行う見込みであること
- 対象外の主なもの:補助金交付の決定前に着手(請負契約の締結時点)した工事。他の補助制度と併用する工事。過去に市の補助金を利用した建物を解体する工事。申請者本人が自分で行う工事。空家法による解体等の命令を受けた建物
- 予算・税:予算の範囲内で交付し、予算額に達した時点で受付を終了。解体で住宅用地特例が外れると固定資産税が増える場合がある一方、令和8年度から、一定の条件を満たすと跡地の固定資産税を軽減する制度が新設された
- 公式ページに記載がない項目:予算額、受付の締切日
安来市の補助金は、建物の種類によって補助率と上限額が変わります。不良住宅・空き建築物は5分の4以内、旧耐震基準建築物は3分の1以内で、令和8年度から10年度の特例期間は、それぞれ上限が120万円と100万円に引き上げられています。ただし、解体費用は標準除却費(令和8年度は1平方メートルあたり36,000円)が限度なので、見積額が高くても、この単価で計算されます。着手は請負契約の締結時点とされるため、交付決定の前に業者と契約しないよう注意しましょう。詳細は安来市建築住宅課の空き家対策係(0854-23-3343)へご確認ください。

業者選び以前に知っておきたい2つの法的手続き
アスベスト事前調査の掲示義務
2022年の法改正により、解体工事を行う際は石綿(アスベスト)の有無にかかわらず事前調査が義務付けられています。安来市でも、元請業者は調査結果を現場に掲示し、届出時に石綿有無を報告する必要があります。この手続きを省略する業者は法令違反の可能性があるため注意してください。
特定建設作業の届出
騒音規制法・振動規制法などで定める「特定建設作業」に該当する解体工事では、原則として作業開始日の7日前までに市への届出が必要です。届出は業者が行うのが一般的ですが、近隣への説明が不十分だとトラブルの原因になります。契約前に「近隣挨拶をいつ・誰が行うか」「重機の搬入経路」を確認しておきましょう。
実家じまいを考えるなら知っておきたい「解体後」の話
解体工事は「壊して終わり」ではありません。実家じまいを見据えるなら、次の2点も押さえておく必要があります。
固定資産税が上がる可能性がある
建物を解体して更地にすると、住宅用地の軽減特例(200㎡までの部分は課税標準が評価額の1/6、200㎡を超える部分は1/3に軽減される制度)が適用されなくなります。解体すると原則としてこの特例が外れ、土地の固定資産税・都市計画税が上がる可能性があります。実際の税額は土地の評価額や面積、負担調整措置などによって異なるため、一概に「何倍になる」とは言えません。安来市では、令和8年度から、一定の条件を満たすと、解体後の跡地の固定資産税を軽減する制度が新設されました。条件や手続きは、市のページでご確認ください。
相続空き家の3,000万円特別控除
相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。ただし2024年以降の譲渡で相続人が3人以上の場合は最高2,000万円になります。適用には「相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」という期限があるため、解体・売却のスケジュールは早めに逆算しておくことが重要です。安来市の補助金は、予算額に達した時点で受付が終了するため、売却のスケジュールと合わせて、早めに市へ相談しておきましょう。

業者選びの最終チェックリスト
比較サービスや業者一覧を見た上で、最後に契約前に確認すべき5つのポイントです。
- 建設業許可または解体工事業登録の有無:無許可・無登録の業者は法律違反です。国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で登録番号を照合しましょう。
- 見積書に内訳が明記されているか:「一式」とだけ記載された見積書は要注意です。仮設工事費・解体工事費・廃棄物処理費・付帯工事費が項目ごとに分かれているかを確認しましょう。
- 産業廃棄物のマニフェストを発行しているか:発行に応じない業者は不法投棄のリスクがあるため避けたほうが無難です。
- 損害賠償保険に加入しているか:重機作業中に隣家を傷つけるなどのトラブルは珍しくありません。工事賠償責任保険への加入有無は契約前に必ず確認してください。
- 契約の前に交付決定を受けているか:安来市の補助金は、請負契約の締結時点が着手とみなされます。交付決定の前に業者と契約すると、対象外になります。
安来市の解体工事の流れ

- 業者選定(許可または解体工事業登録のある業者)・現地調査・見積もり比較・市への事前相談
- 契約・自治体への届出(特定建設作業届、石綿事前調査結果の報告)
- ライフライン停止・近隣挨拶・残置物撤去
- 足場養生→内装・屋根解体→本体解体→基礎撤去
- 清掃・整地・建物滅失登記(解体後1ヶ月以内に法務局へ申請義務あり)
解体前に家財道具が残っている場合
解体業者によっては残置物撤去も対応してもらえますが、別途費用がかかることが多く、量が多いと解体費用より高くつくこともあります。先に不用品だけ片付けておきたい場合は、不用品回収専門の一括見積もりサービスを使うと比較検討がしやすくなります。

| サービス名 | 不用品回収無料一括見積もり「ぽいみつ」 |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(安来市含む) |
| 特徴 | 不用品回収・空き家片付け・遺品整理・ゴミ屋敷清掃の一括見積もりに対応、利用は完全無料 |
よくある質問
Q. 特例期間とは、いつまでですか?
令和8年度から令和10年度までです。この期間は、不良住宅・空き建築物の上限が100万円から120万円に、旧耐震基準建築物の上限が50万円から100万円に引き上げられています。
Q. 見積額の5分の4が、そのまま補助されますか?
解体費用は、標準除却費(令和8年度は1平方メートルあたり36,000円)が限度なので、見積額が高い場合は、この単価で計算されます。上限額も、不良住宅・空き建築物は120万円、旧耐震基準建築物は100万円です。
Q. 相見積もりは何社くらい取るべきですか?
3社程度を目安に比較すると、極端な高額請求や不当な低価格を見抜きやすくなります。
Q. 建物滅失登記は自分でもできますか?
可能です。ただし、業者から交付される「建物滅失証明書」が必要になるため、工事完了後に必ず受け取っておきましょう。
まとめ
安来市の解体工事は、著しく老朽化して危険な不良住宅や空き建築物であれば解体費用の5分の4以内(上限は令和8〜10年度の特例で120万円)、昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準の住宅であれば3分の1以内(特例で上限100万円)の補助を受けられる可能性があります。解体後の跡地の固定資産税を軽減する制度も新設されています。早めに市へ相談しつつ、複数の一括見積もりサービスで相場を把握し、地元業者への直接依頼も含めて比較検討することが費用を抑える近道になります。
