破れたまま何年も張り替えていない障子、子どもが穴を開けてしまった襖、押し入れの奥に立てかけたままの古い戸。和室のある家では、襖や障子を新しくしたり、部屋を洋室に変えたりする際に、外した建具の処分に困ることがあります。人の背丈ほどの大きさがあるため、「襖は粗大ごみ?」「切れば普通のごみで出せる?」と手が止まる人が目立ちます。
知恵袋などのQ&Aサイトでも「襖は粗大ごみで出せる?」「障子を切って燃えるごみに出してもいい?」「リフォームで外した襖は自治体で引き取ってもらえる?」「実家の古い建具に価値があるか知りたい」といった相談がよく見られます。
襖や障子の捨て方は、大きさと素材、外した経緯で変わります。家の中の片付けで外した物は、自治体の粗大ごみで出すのが基本で、小さく切れば可燃ごみとして出せる自治体もあります。リフォームの工事で出た物は、工事を行った業者が処分するのが一般的です。賃貸の部屋の襖や障子は部屋の設備なので、勝手に捨ててはいけません。
本記事では、襖と障子の種類ごとの区分、粗大ごみで出す方法と数え方、小さく切って出す方法と注意点、引手や金具の外し方、リフォームの工事で出た場合の扱い、賃貸の部屋での注意、張り替えて使い続ける方法、古い建具の買い取り、実家の片付けや解体の前に出てきた際の進め方まで、よくある相談の例を交えて解説します。

襖・障子は何ごみ?種類で変わる区分
この章のポイント
- 一辺が自治体の基準を超える物は粗大ごみ
- 小さく切れば可燃ごみで出せる自治体もある
- 工事で出た物は、家庭ごみとして受け付けない自治体がある
襖や障子のごみの区分は、住んでいる自治体のルールで決まります。自治体のごみ分別辞典や分別アプリで「襖」「ふすま」「障子」「戸」「建具」などと検索すれば、区分と出し方が分かります。名前で載っていない場合は、清掃事務所に問い合わせましょう。
襖や障子は、一辺の長さが自治体の基準(30cmや50cmなど)を大きく超えるため、そのままの形なら粗大ごみになるのが一般的です。木や紙でできた物は、指定の袋に入る大きさに切れば可燃ごみとして出せる自治体もあります。家の中の建具は、家の一部と考えて、粗大ごみの品目に入れていない自治体もあるため、申し込みの前に確かめておきましょう。
| 種類 | 区分の例 | 出す際のポイント |
|---|---|---|
| 襖(木の枠・紙の芯) | 粗大ごみ・切れば可燃ごみ | 引手を外しておく |
| 襖(発泡スチロールや段ボールの芯) | 粗大ごみ・切れば可燃ごみやプラスチックごみ | 芯の素材を確かめる |
| 障子 | 粗大ごみ・切れば可燃ごみ | 紙をはがすと切りやすい |
| 戸襖・板戸 | 粗大ごみ | ベニヤ板や金具が付いている物が多い |
| ガラスの入った建具 | 粗大ごみ | ガラスが割れないように運ぶ |
| 欄間 | 粗大ごみ・買い取りの対象になることも | 彫刻や細工の物は価値を確かめる |
襖には、木の枠の中に格子状の骨組みを入れて紙を重ねて張った物と、芯に発泡スチロールや段ボールを使った物があります。軽くて手で持ち上げやすい物は、芯に発泡スチロールや段ボールが使われていることが多く、自治体によって分け方が変わることがあります。
よくある相談の例
襖や障子の処分について、Q&Aサイトなどでよく見られる相談には、次のような物があります(内容は一般的な相談を要約した例です)。
- 和室を洋室に変えたので、外した襖が4枚残っていて置き場所に困っている
- 障子の張り替えに失敗して、枠ごと新しい物に替えたいが、古い障子をどう捨てればいいか分からない
- ペットが襖を破ってしまい、賃貸の部屋なので退去の際が心配
- 実家の押し入れから、使われていない古い板戸や欄間が出てきた
- リフォーム業者に工事を頼んだが、外した襖を置いていかれてしまった
どの相談も、外した経緯と枚数、素材を確かめると、どこに頼めばいいかが見えてきます。次の章から、順に見ていきましょう。
粗大ごみで出す方法と数え方
この章のポイント
- 1枚ごとに1点と数える自治体が多い
- まとめて出す場合は、枚数を伝えて申し込む
- 処理施設に運び込める自治体もある
自治体の粗大ごみ受付センターに、電話やインターネットで申し込みます。品目として「襖」「障子」「戸」などを伝え、枚数と大きさを答えると、手数料と収集の日が決まります。手数料は自治体ごとに決まっているため、受付の際に確かめましょう。
申し込みから収集までの流れ
申し込みが済んだら、コンビニエンスストアなどで手数料の分の処理券を買い、1枚ごとに見やすい場所に貼ります。収集の日の朝、決められた場所に出しておけば、立ち会わなくても回収してもらえる自治体がほとんどです。襖や障子は風にあおられて倒れやすいため、壁に立てかけるより、平らに重ねて置くほうが安全です。
数え方
襖や障子は、1枚ごとに1点と数える自治体が多く、4枚あれば4点分の処理券が必要になります。重ねてひもで縛っても、まとめて1点とはならないことがほとんどです。数え方は自治体ごとに違うため、申し込みの際に「何枚あるか」を伝えて確かめましょう。
処理施設に運び込む
自治体によっては、粗大ごみを自分で処理施設に運び込める場合があります。収集を待たずに出せるうえ、手数料が安くなる自治体もあります。襖や障子は大きく、普通の乗用車には積みにくいため、車の大きさと積み方を考えてから選びましょう。
小さく切って出す方法と注意点
この章のポイント
- 自治体が認めているか、先に確かめる
- 紙をはがしてから枠を切ると作業が進む
- 切り口のとげや釘でけがをしない
指定の袋に入る大きさに切れば、可燃ごみとして出せる自治体があります。粗大ごみの手数料がかからないため、枚数が多いと費用を抑えられます。切って出すことを認めていない自治体もあるため、分別辞典や清掃事務所で先に確かめましょう。
切る前の準備
襖や障子の紙は、枠から先にはがしておくと、枠を切る作業が楽になります。障子の紙は、霧吹きで水をかけてしばらく置くと、のりがゆるんではがしやすくなります。襖の紙は何枚も重ねて張られていることが多く、全部をはがすのは手間がかかるため、はがせる分だけはがして、残りは枠と一緒に切っても構いません。
切り方
木の枠は、のこぎりで袋に入る長さに切ります。作業台や脚立の上に置いて足で押さえ、切る場所の近くを持つと、ぶれずに切れます。障子の細い格子は、手で折れるほど細い物もありますが、折った断面がとがるので、軍手をはめて作業しましょう。発泡スチロールや段ボールの芯は、カッターで切れることが多いでしょう。
けがと近所への配慮
古い建具には、小さな釘や金具が残っていることがあります。切る前に手で触れて確かめ、出ている釘は抜くか打ち込んでおきます。のこぎりを使う作業は音が出るため、早朝や夜は避けましょう。切った木の端はとがっていて袋を破ることがあるため、新聞紙で包んでから入れると安心です。
引手や金具の外し方
この章のポイント
- 襖の引手は金属の物が多い
- 小さな釘で留められているので、マイナスドライバーで外す
- 外した金具は、不燃ごみや金属ごみで出す
襖には、手をかけて開け閉めするための引手が付いています。金属でできた物が多く、粗大ごみで出す場合はそのままでも構わない自治体がほとんどですが、切って可燃ごみで出す場合は外しておく必要があります。
引手は、側面の小さな釘で留められていることが多く、マイナスドライバーを引手のふちに差し込んで少しずつ持ち上げると外れます。古い物は釘がさびて外れにくいこともあるため、無理に力を入れず、ペンチで釘をつまんで抜きましょう。外した引手や釘は、自治体の区分に沿って不燃ごみや金属ごみで出します。
引手は残しておく価値がある物も
古い家の襖には、細工のある金属の引手や、七宝焼きの引手が使われていることがあります。こうした引手は、骨董品を扱う店で買い取りの対象になることもあるため、捨てる前に見ておくとよいでしょう。
リフォームの工事で出た襖・障子
この章のポイント
- 工事で出た物は、工事を行った業者が処分するのが一般的
- 見積もりに処分の費用が入っているか確かめる
- 置いていかれた場合は、まず業者に連絡する
和室を洋室に変える、建具を入れ替えるといったリフォームの工事で外した襖や障子は、工事を行った業者が処分するのが一般的です。工事で出た物は、家庭のごみではなく、事業のごみとして扱う自治体があり、粗大ごみとして受け付けてもらえないことがあります。
工事を頼む前に、見積もりに古い建具の処分の費用が入っているかを確かめましょう。工事のあとに外した建具が置いていかれた場合は、まず業者に連絡して、引き取ってもらえるか相談します。自分で建具を外して入れ替えた場合は、家庭の片付けで出た物として、自治体のルールに沿って出せるかを確かめましょう。
賃貸の部屋の襖・障子
この章のポイント
- 部屋の設備なので、勝手に捨てない
- 破れた場合は、管理会社に相談する
- 自分で張り替える前にも確かめる
賃貸の部屋に付いている襖や障子は、大家さんの持ち物で、部屋の設備です。使わないからといって外して捨てたり、勝手に別の物に替えたりしてはいけません。邪魔に感じる場合は、外して押し入れなどに保管し、退去の前に元に戻しておきましょう。
子どもやペットが襖を破ってしまった場合は、そのままにせず、管理会社に相談します。自分で張り替えてよいか、退去の際にどう扱うかは、契約の内容や傷み方によって変わります。張り替えの紙の色や柄が元と違うと、かえって手直しが必要になることもあるため、自分で張り替える前にも確かめておくと安心です。
張り替えて使い続ける方法
この章のポイント
- 障子の紙は、自分で張り替えられる
- 襖は、張り替えを業者に頼むこともできる
- 枠が傷んでいなければ、捨てずに直せる
襖や障子の傷みが紙だけなら、枠は捨てずに、紙を張り替えて使い続ける方法もあります。障子の紙は、ホームセンターなどで売られている障子紙とのりを使えば、自分で張り替えられます。アイロンで貼るタイプや、破れにくいプラスチックを使ったタイプもあり、子どもやペットのいる家でも使いやすくなっています。
襖の張り替えは、自分でもできますが、何枚も重なった紙の扱いや、枠のゆがみの直し方に手間がかかります。表具店や建具店、襖の張り替えを行う業者に頼めば、枠のがたつきも合わせて見てもらえます。費用は紙の種類や枚数で変わるため、見積もりを取ってから決めましょう。
古い建具の買い取り・譲り方
この章のポイント
- 古い建具を扱う店や、古道具店に相談する
- 細工のある欄間や障子は、価値を確かめる
- 写真と大きさを用意しておけば話が早い
古い民家の建具には、細かな格子を組んだ障子や、彫刻を施した欄間、木目の美しい板戸など、今では手に入りにくい物があります。こうした建具は、古い建具を扱う店や古道具店で買い取りの対象になることがあり、店舗の内装や家具づくりの材料として求める人もいます。
買い取りを相談する際は、建具の写真と、縦と横の大きさ、枚数を用意しておくと、話が進みやすくなります。値段が付かない場合でも、引き取ってもらえることがあります。フリマアプリや地域の掲示板で譲る方法もありますが、大きくて送るのが難しいため、取りに来てもらえる人に譲るのが現実的です。
古い襖の下張りに注意
古い襖は、表の紙の下に何枚もの紙が重ねて張られていて、その中に昔の手紙や帳面などが使われていることがあります。家の歴史を知る手がかりになることもあるため、古い家の襖をはがす際は、出てきた紙をすぐに捨てず、気になる物があれば地域の郷土資料館などに相談してみましょう。
襖・障子を外したあとの部屋
この章のポイント
- 開いた場所をどう仕切るかを決めておく
- カーテンやのれん、突っ張り棒で代わりにできる
- 部屋の使い方に合わせて選ぶ
襖や障子を外すと、部屋が広く使えるようになりますが、仕切りや目隠しがなくなります。外す前に、開いた場所をどうするかを決めておくと、片付けたあとに困りません。
押し入れの襖を外した場合は、突っ張り棒にカーテンやのれんを掛けると、中を隠しつつ出し入れしやすくなります。部屋と部屋の間の仕切りがなくなった場合は、パーテーションやロールスクリーンで、必要なときだけ仕切る方法もあります。窓の障子を外した場合は、カーテンやブラインドで光を調整しましょう。
実家の片付けや解体の前に出てきた襖・障子
この章のポイント
- 家を残すか、売るか、解体するかで扱いが変わる
- 解体するなら、建具は工事でまとめて撤去されるのが一般的
- 家の中の物を片付けてから工事に入る
実家の片付けでは、使われていない部屋の襖や障子、押し入れに立てかけたままの古い戸などが何枚も出てくることがあります。建具は家の一部なので、家をこれからどうするかによって扱いが変わります。
家を残す・売る場合
家に住み続ける、貸す、売るといった場合は、建具は家に付けたまま残すのが基本です。破れた襖や障子を張り替えておくと、部屋の印象がよくなり、売却の際の内覧でも見た目が整います。どこまで手を入れるかは、不動産会社に相談して決めましょう。
家を解体する場合
空き家になった実家を解体する場合、襖や障子などの建具は、解体の工事で家と一緒に撤去されるのが一般的です。自分で外して粗大ごみに出す必要はありません。家具や家電、衣類など、家の中に残っている物は、工事の前に片付けておく必要があり、残っている物の量で費用も変わるため、早めに相場を調べておくと計画が立てやすくなります。
襖・障子の処分についてよくある質問
襖は何ごみで出す?
そのままの大きさなら粗大ごみになるのが一般的で、1枚ごとに1点と数える自治体が多くなっています。指定の袋に入る大きさに切れば可燃ごみとして出せる自治体もありますが、認めていない自治体もあるため、分別辞典で確かめましょう。
障子を切って燃えるごみに出してもいい?
自治体が認めていれば、紙をはがして枠を袋に入る長さに切り、可燃ごみとして出せます。切り口がとがるため、新聞紙で包んでから袋に入れましょう。釘や金具は外して、別の区分で出します。
襖の引手はどうやって外す?
側面の小さな釘で留められていることが多く、マイナスドライバーを引手のふちに差し込んで少しずつ持ち上げると外れます。外した引手は、自治体の区分に沿って不燃ごみや金属ごみで出しましょう。
リフォームで外した襖は粗大ごみで出せる?
工事で出た物は事業のごみとして扱い、粗大ごみとして受け付けない自治体があります。工事を行った業者が処分するのが一般的なので、見積もりに処分の費用が入っているか確かめ、置いていかれた場合は業者に相談しましょう。
賃貸の部屋の襖を捨ててもいい?
賃貸の部屋の襖や障子は大家さんの持ち物なので、捨ててはいけません。使わない場合は外して保管し、退去の前に元に戻します。破れた場合は、管理会社に相談しましょう。
古い欄間や障子は売れる?
細工のある欄間や格子の細かい障子、木目の美しい板戸などは、古い建具を扱う店や古道具店で買い取りの対象になることがあります。写真と大きさ、枚数を用意して相談しましょう。
襖・障子の捨て方についてまとめ
襖や障子は、大きさと素材、外した経緯で出し方が変わります。最後に、要点を振り返っておきましょう。
和室の建具を見直すと、部屋の使い方が大きく変わります。外した経緯と枚数を確かめたうえで、自分に合った方法で手放し、暮らしやすい部屋づくりにつなげましょう。