学生時代に買ったきり弾かなくなったギター、子どもが習い事でやめてしまったバイオリン、押し入れで眠る電子キーボード。楽器は思い出が詰まっているうえに、大きさも素材もさまざまで、どう手放せばよいのか迷いやすい品です。
Yahoo!知恵袋にも「弦が切れたままのギターは売れる?」「父が集めていたギターが何本もあるが価値が分からない」「電子ピアノは粗大ごみで出せる?」といった相談が寄せられています。
楽器は、ごみとして処分する前に「売れるかどうか」を確かめる価値がある品です。古いギターや管楽器は、年代やメーカーによっては購入時より高く取引されることもあります。反対に、値段がつかない楽器は自治体の粗大ごみなどで出せますが、素材によって区分が変わります。
本記事では、ギターなどの楽器の処分方法と費用の目安、高く売れる楽器の条件と買取先の選び方、楽器ごとのごみの区分、寄付という手放し方、実家に残った楽器や故人のコレクションを整理する際の注意点まで、知恵袋に寄せられた声を交えて解説します。

ギター・楽器の処分方法6つと費用の目安
この章のポイント
- まずは楽器専門の買取で査定
- 値段がつかなければ自治体の粗大ごみ
- 寄付で誰かに使ってもらう方法も
楽器の処分方法は6つあります。楽器の状態や価値によって、選ぶべき方法が大きく変わります。
| 処分方法 | 費用の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 楽器専門の買取店 | プラスになる場合あり | 有名メーカー、年代物、状態がよい |
| 総合リサイクルショップ | プラスになる場合あり | 初心者向けモデル、早く手放したい |
| フリマアプリ・ネットオークション | プラスになる場合あり | 相場を調べて自分で売りたい |
| 寄付 | 送料のみ〜無料 | 値段はつかないが使える状態 |
| 自治体の粗大ごみ・不燃ごみ | 無料〜1,000円程度 | 壊れている、値段がつかない |
| 不用品回収業者 | 1点2,000円〜5,000円程度 | ほかの家財とまとめて出す |
1. 楽器専門の買取店に売る
ギターや管楽器、弦楽器は、楽器を専門に扱う買取店で査定を受けるのが最も確実です。専門店は、メーカーやモデル、製造年、改造の有無などを見て、市場の相場に沿った価格を出してくれます。店頭に持ち込むほか、宅配買取や出張買取を利用すれば、重い楽器でも自宅から出せます。
2. 総合リサイクルショップに売る
家具や家電も扱うリサイクルショップでも、楽器を買い取っています。初心者向けのセットや、量販店で売られていた手頃なモデルは、専門店でも総合店でも価格に大きな差が出にくい品です。ほかの不用品と一緒に査定してもらえるのが利点です。高価な楽器は、総合店では価値が正しく評価されないことがあるため、専門店と比べてから決めましょう。
3. フリマアプリやネットオークションで売る
自分で値段を決めて売りたい方は、フリマアプリやネットオークションが向いています。同じモデルの売り切れ価格を調べてから出品し、傷や不具合は写真と説明文で正直に伝えましょう。ギターは専用の段ボールに入れないと配送中に破損しやすく、楽器店で不要になった箱をもらえる場合があります。
4. 学校や団体に寄付する
値段がつかなくても演奏できる楽器は、寄付という方法で次の使い手に渡せます。楽器の寄付を受け付ける団体や、学校の吹奏楽部・軽音楽部、地域の音楽サークルなどが受け入れ先です。自治体が楽器の寄付を募り、学校に届ける取り組みを行っている例もあります。受け付ける楽器の種類や状態は受け入れ先によって違うため、事前に確認してから送りましょう。
5. 自治体のごみに出す
壊れて演奏できない楽器や、査定で値段がつかなかった楽器は、自治体の区分に従ってごみに出します。ギターやキーボードは粗大ごみになることが多く、手数料は数百円〜1,000円程度です。楽器ごとの区分は、後の章で詳しく紹介します。
6. 不用品回収業者に依頼する
引っ越しや実家の片付けで、楽器をほかの家財と一緒に処分したい場合は、不用品回収業者にまとめて頼めます。価値のある楽器を買い取って、回収費用から差し引いてくれる業者もあります。依頼前に、一般廃棄物収集運搬業の許可の有無と、見積もりの内訳を確認してください。
知恵袋に寄せられた相談
Yahoo!知恵袋には、次のような相談が投稿されています。
- 若い頃に買ったギターがネックの反った状態で出てきた。修理してから売るべきか迷っている
- 亡くなった父が趣味で集めていたギターが10本以上あり、どこに売ればよいか分からない
- 子どもが小学生の頃に使っていた鍵盤ハーモニカやリコーダーの捨て方が知りたい
回答では「修理せずそのまま査定に出したほうがよい」「コレクションは専門店の出張買取が安心」「学校で使う楽器は自治体の区分で出せる」という意見が目立ちました。
高く売れるギター・楽器の条件
この章のポイント
- メーカー・モデル・製造年で相場が決まる
- 付属品とケースがそろっている
- 修理や改造をしていない
中古の楽器は、同じ種類でも数千円から数十万円以上まで価格に大きな幅があります。高く売れやすい条件を知っておくと、ごみに出してしまう失敗を防げます。
| 条件 | 評価が上がる理由 |
|---|---|
| 有名メーカーの製品 | ギブソン、フェンダー、マーティン、ヤマハなどは中古市場で需要が高い |
| 1960年代〜1980年代の製品 | ヴィンテージとして世界的なコレクターがいる |
| オリジナルの状態 | 部品の交換や改造をしていない物ほど評価が高い |
| 付属品がそろっている | ハードケース、保証書、取扱説明書、付属の工具など |
| 演奏に支障がない | ネックの反りや割れがなく、音が出る |
| 日本製の古いモデル | 1970年代〜80年代の国産ギターは海外でも人気がある |
古い国産ギターも見逃さない
「昔の国産ギターだから価値はない」と思い込むのは早計です。1970年代〜1980年代に作られた日本製のギターは、作りのよさから「ジャパンヴィンテージ」と呼ばれ、国内外で人気があります。メーカー名やシリアル番号を控えて、専門店に問い合わせてみましょう。
売る前にしておきたいこと
- 柔らかい布で、本体のほこりや指紋を拭き取る
- 弦は古いままでよい(張り替えの費用が査定額に上乗せされることはまれ)
- ケース、保証書、説明書、付属品を探してそろえる
- メーカー名、モデル名、シリアル番号、購入時期をメモしておく
自分で修理や改造を施せば、かえって評価が下がることがあります。ネックの反りや電装系の不具合があっても、手を加えずにそのまま査定に出すのがおすすめです。
買取の方法を比べる:店頭・宅配・出張
この章のポイント
- 1本なら店頭で相場を聞く
- 数本なら宅配買取
- 大型・大量なら出張買取
楽器専門の買取店を使う場合も、受け取り方が3つあります。楽器の数と大きさ、近くに店があるかどうかで選びましょう。
| 買取の方法 | 流れ | 向いているケース |
|---|---|---|
| 店頭買取 | 楽器を店に持ち込み、その場で査定と支払い | 近くに専門店があり、1〜2本を売る |
| 宅配買取 | 申し込み後に届く梱包キットで送り、査定額に納得したら入金 | 近くに店がない、数本をまとめて売る |
| 出張買取 | 査定員が自宅に来て、その場で査定と引き取り | 電子ピアノやドラムなど大型の楽器、コレクションをまとめて売る |
店頭買取の利点
店頭買取は、査定員から直接説明を受けられるのが利点です。どこが評価され、どこが減額の理由になったのかを聞けるため、ほかの店と比べる際の材料になります。査定額に納得できなければ、その場で持ち帰れます。
宅配買取の注意点
宅配買取は、自宅にいながら全国の専門店に査定を依頼できます。送料や梱包材が無料のサービスが一般的ですが、査定額に納得できず返送を希望した場合、返送料が自己負担になる店もあります。申し込む前に、キャンセル時の条件を確認しておきましょう。ギターを送る場合は、弦を緩め、ネックとヘッドをしっかり固定して梱包してください。
出張買取は複数の楽器をまとめて
出張買取は、重い楽器や数の多いコレクションを手放すときに便利です。査定員が自宅で楽器を確認し、その場で引き取ってくれます。訪問の日時を決める際に、楽器の種類と数を伝えておくと、査定がスムーズに進みます。
楽器ごとのごみの区分
この章のポイント
- 大きさと素材で区分が決まる
- 電子楽器は小型家電の回収も使える
- ピアノは自治体で収集しない
値段がつかない楽器を自治体のごみに出す場合、楽器の大きさと素材で区分が変わります。
| 楽器 | 区分の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| アコースティックギター・エレキギター | 粗大ごみ | 弦は外して不燃ごみへ |
| ベース・ウクレレ | 粗大ごみ、可燃ごみ(小型) | ウクレレは指定袋に入れば可燃ごみの自治体がある |
| 電子キーボード・電子ピアノ | 粗大ごみ | 電子ピアノは重く、運び出しに人手が必要 |
| ギターアンプ・エフェクター | 粗大ごみ、小型家電の回収 | 小型の物は回収ボックスに入る場合がある |
| バイオリンなどの弦楽器 | 粗大ごみ、可燃ごみ | 弓とケースは別に分別 |
| リコーダー・鍵盤ハーモニカ | プラスチックごみ、可燃ごみ、不燃ごみ | ホースや吹き口は別に分別 |
| 管楽器(トランペット・サックスなど) | 不燃ごみ、金属ごみ、粗大ごみ | 金属の資源として回収する自治体もある |
| 和楽器(琴・三味線など) | 粗大ごみ | 専門店で買取できる物がある |
弦や部品の分別
ギターの弦は金属でできており、とがった先端でけがをしやすい部品です。ニッパーで切ってから丸め、紙に包んで不燃ごみに出しましょう。ギターストラップは布や革の製品として可燃ごみ、ピックやカポタストは素材に応じて分別します。
電子楽器は小型家電の回収も使える
電子キーボード、ギターアンプ、エフェクター、電子メトロノームなどは、小型家電リサイクル法の対象品目です。回収ボックスの投入口(30cm×15cm程度)に入る大きさの物は、無料で回収に出せます。電池を使う機器は、電池を外してから出してください。
ピアノは専門業者へ
アップライトピアノやグランドピアノは、重さが200kg〜400kg以上あり、自治体の粗大ごみでは収集していません。ピアノ専門の買取業者や運送業者に依頼するのが一般的です。ピアノの処分方法については、別の記事で詳しく紹介しています。
故人の楽器コレクションを整理する際の注意点
この章のポイント
- 処分を急がず価値を確かめる
- 形見として残す1本を家族で選ぶ
- 相続財産になる高額な楽器もある
親や配偶者が趣味で楽器を集めていた場合、家族には価値が分からないまま、処分に困ることがあります。
楽器の情報を書き出す
楽器のヘッドやボディの裏、内部のラベルに、メーカー名やモデル名、シリアル番号が記されています。1本ずつ写真を撮り、情報を一覧にしておくと、買取店への問い合わせや、家族での話し合いがスムーズです。購入時の領収書や保証書が残っていれば、一緒に保管しておきましょう。
複数の専門店で査定を受ける
楽器のコレクションは、買取店によって評価が大きく分かれることがあります。ギターに強い店、管楽器に強い店、ヴィンテージに強い店など、得意分野がそれぞれ違うためです。高額になりそうな楽器は、2〜3店で査定を受けてから決めると安心です。
高額な楽器は相続財産になる
数十万円以上の価値がある楽器は、相続財産として扱われます。相続税の申告が必要な家庭では、楽器も評価額を計算して申告に含めます。相続人が複数いる場合は、誰が受け継ぐか、売却した代金をどう分けるかを話し合ってから処分しましょう。
形見として1本を残す
故人が大切にしていた楽器を、すべて手放すのは寂しいものです。家族の誰かが弾くかどうかにかかわらず、思い出の深い1本だけを形見として残す方も少なくありません。弾かずに保管する場合は、ケースに入れ、湿気の少ない部屋で、弦を少し緩めて保管すれば、ネックの反りを防げます。
楽器を手放す前に考えたいこと
この章のポイント
- 弾かない理由を振り返る
- メンテナンスで弾ける状態に戻ることも
- レンタルや習い事の体験で再開する方法も
「いつか弾く日が来る」と思って手放せない方に向けて、判断のヒントを紹介します。
弾かなくなった理由を振り返る
楽器を弾かなくなった理由が「時間がない」「弾ける場所がない」「弦が切れたまま」など、解決できる理由であれば、手放す前にもう一度向き合ってみる価値があります。楽器店でメンテナンスを受け、弦を張り替えるだけで、弾きやすさが大きく変わることもあります。
1年触らなかったら手放す目安に
反対に、何年もケースから出していない楽器は、これからも弾かない可能性が高いといえます。季節がひと回りする1年を目安に、一度も触らなかったら手放す、と決めておくと判断しやすくなります。楽器は使われずに置いておくほど劣化が進み、価値が下がる品であることも覚えておきましょう。
楽器の処分についてよくある質問
弦が切れたギターやネックが反ったギターは売れる?
有名メーカーの製品や年代物であれば、弦が切れていてもネックが反っていても、買取の対象になることがあります。修理せずにそのまま査定に出し、修理が必要かどうかは店の判断に任せましょう。初心者向けの安価なモデルは、状態が悪いと値段がつかないこともあります。
ギターケースだけでも売れる?
有名メーカーの純正ハードケースや、楽器ケースの専門メーカーの製品は、ケースだけでも売れることがあります。ソフトケースや汎用品は値段がつきにくいため、楽器と一緒に査定に出すか、自治体の区分に従って出してください。
子どもの学校で使った鍵盤ハーモニカやリコーダーは?
下の子や知り合いに譲るほか、きれいな状態であれば寄付を受け付ける団体もあります。処分する場合は、プラスチック部分と金属部分、ホースや吹き口を分けて、自治体の区分に従って出します。名前シールははがしてから手放しましょう。
電子ピアノは粗大ごみで出せる?
電子ピアノは、自治体の粗大ごみとして出せるのが一般的です。重さが30kg〜80kg程度あるため、玄関先まで運ぶのに人手が必要になります。製造から5年〜7年以内の物は、買取の対象になることもあるため、ごみに出す前に査定を受けてみてください。
ギター・楽器の処分方法についてまとめ
この記事のポイントをまとめます。
楽器は、次の弾き手に渡れば、もう一度音を奏でられる品です。ごみに出す前に、売る・譲る道を探してみてください。
思い出の深い楽器は、無理に手放さず、形見として1本を残す選択も大切にしましょう。