解体前の家財・残置物の片付け費用は?業者任せと自分で処分の差と遺品整理の順番

実家の解体を決めたものの、家の中には家具や衣類、食器、仏壇、アルバムがぎっしり残っている。解体業者に見積もりを頼むと「家財の処分は別料金です」と言われ、思っていた以上の金額に驚いた、という方は少なくありません。

Yahoo!知恵袋にも「解体前の家財は業者に任せるのと自分で片付けるのと、どちらが安いですか?」「遺品整理業者と解体業者はどちらを先に頼めばよいですか?」「貴重品が見つからないまま処分してしまいそうで不安です」といった相談が寄せられています。片付けの段取りを間違えると、費用が数十万円単位で変わるうえ、大切な書類や現金を捨ててしまう心配もあります。

解体前の家財の片付けは、誰に頼むか、どの順番で進めるか、何を先に探すかで、負担が大きく変わります。遠方に住んでいる場合や、仕事や家族の都合で時間が取れない場合は、計画づくりがいっそう重要です。

本記事では、解体業者に任せる場合と自分で片付ける場合の費用の差、遺品整理業者との順番、貴重品の探し方、処分で気をつけたいルールを整理して解説します。40代から60代の方が、ご自身の状況に合わせて進め方を選べるようにまとめました。

この記事を読むと分かること

  • 家財を解体業者に任せる場合と、自分で処分する場合の費用の差
  • 遺品整理業者と解体業者に頼む順番と、全体のスケジュール
  • 通帳・印鑑・権利証など貴重品の探し方と、見落としやすい場所
  • 相続放棄や家電リサイクルなど、処分前に知っておきたい注意点
解体前の家財・残置物の片付け費用は?業者任せと自分で処分の差と遺品整理の順番
目次

解体前の家財の片付けはなぜ必要?

この章のポイント

  • 家財の処分は、建物の解体とは別の扱いになる
  • 家財を残したままだと、見積もりが高くなる
  • 貴重品や思い出の品は、解体前に取り出しておく

解体工事では、建物の中の家財が残っていると、工事を始められないのが一般的です。家財道具は、法律上は一般廃棄物として扱われるのが通例で、解体工事で出る木くずやコンクリートがらなどの産業廃棄物とは区別されています。

一般廃棄物を収集して運ぶには、市区町村の許可が必要です。解体業者が許可を持っていない場合、家財の処分は許可を持つ業者へ外注することになり、その分の費用が上乗せされます。業者によっては、家財の処分はお客様自身で済ませてほしいと、最初から見積もりの条件にしている場合もあります。

自治体の許可がない不用品回収業者に頼むと、不法投棄や高額請求のトラブルにつながるおそれがあります。環境省や各自治体も注意を呼びかけているため、依頼先に許可があるかどうかは、必ず確認しましょう。

解体業者に家財の処分を含めてもらうと割高になりやすい

見積もりに「残置物処分費」「家財撤去費」といった項目が入っている場合、解体業者が提携先の処分業者に依頼した金額に、手数料が加わっていることがあります。家財の量が多い家ほど、金額の差が大きくなります。

費用を抑えたい場合は、解体の前に、片付け業者や不用品回収業者、遺品整理業者へ別に依頼し、家財をすべて出した状態で解体業者の見積もりを取るのが一般的な方法です。

家財の処分方法ごとの費用の目安

この章のポイント

  • 自分で処分すれば数万円から、業者任せなら数十万円になることも
  • 解体業者への上乗せは割高になりがち
  • 量が多いほど、業者に頼む総額の差は広がる

家財を処分する方法は、大きく分けて四つあります。それぞれの費用の目安と特徴は次のとおりです。

処分方法費用の目安(一軒家の場合)特徴
自分で処分(自治体ごみ・クリーンセンター持込)2万〜15万円程度費用は一番安いが、時間と労力がかかる
不用品回収・片付け業者2LDKで10万〜30万円、3LDKで20万〜50万円程度仕分けから運び出しまで頼める
遺品整理業者3LDKで20万〜60万円程度仕分け、貴重品探し、供養、清掃まで含められる
解体業者に任せる片付け業者より1.2倍〜2倍ほどになることも手間はないが割高になりやすい

これらの金額は、家財の量や階数、搬出経路、エレベーターの有無、地域によって大きく変わる目安です。複数の業者から見積もりを取り、内訳を比べてください。

自分で処分する場合の費用と手間

自治体の粗大ごみ回収に出す方法や、市のクリーンセンターへ直接持ち込む方法なら、費用は少なく済みます。持ち込みは、重さに応じた料金で、10kgあたり数十円から数百円程度としている自治体が多く、粗大ごみの収集は1点あたり数百円から数千円が一般的です。

費用の面では有利ですが、軽トラックやレンタカーの手配、荷物の積み下ろし、何度も往復する時間がかかります。遠方から通う場合は、交通費や宿泊費を含めて考える必要があります。体力的にも無理のない範囲で進めましょう。

業者に頼むときの費用の決まり方

片付け業者の費用は、部屋の広さ(間取り)と、荷物の量、作業する人数、運び出す経路で決まります。2階にある家具の搬出や、階段が狭い家、トラックが家の前に止められない家では、費用が上がります。

見積もりは、現地を見てもらう「訪問見積もり」が確実です。電話やメールだけで出した金額は、現地で追加される場合があるため、書面で総額を出してもらいましょう。

自分で片付けるときの進め方

この章のポイント

  • 部屋ごとに区切って、1日の作業量を決める
  • 「残す・譲る・売る・処分」の4つに分ける
  • ごみの分別ルールと収集日を先に確認する

自分で片付ける場合は、家全体を一度に始めず、部屋ごとに区切って進めると、作業の見通しが立ちます。1日に1部屋から2部屋を目安に、日程を先に決めておくと、途中で止まりにくくなります。

  • 玄関や台所など、作業しやすい場所から手をつけて、通り道を先に確保する
  • 品物を「残す」「親族に譲る」「売る」「処分」の4つに分け、迷うものは保留の箱に入れる
  • 自治体のごみの分別表と収集日、粗大ごみの申し込み方法を先に確認する
  • 大型の家具や家電は、搬出日に合わせて早めに粗大ごみの予約を入れる
  • 不用品は、燃えるごみ、資源ごみ、粗大ごみ、持ち込みに仕分けてから運ぶ

解体日まで電気と水道を止めない

片付けの作業には、照明や掃除機のために電気が必要です。電気、ガス、水道を解約する時期は、片付けが終わり、解体業者と工事日程が決まってからにしましょう。解体工事では、粉じんを抑えるための散水に水道を使うことがあるため、業者に停止してよい時期を確認してください。

郵便物は、転居届を出して転送の手続きをしておくと、片付けが終わった後も、重要な通知を受け取れます。新聞やインターネットの契約、NHKの受信契約、固定電話なども、忘れずに解約や住所変更を進めましょう。

遺品整理業者と解体業者に頼む順番

この章のポイント

  • 貴重品の捜索と形見分けが最初
  • 遺品整理が終わってから解体の契約へ
  • 解体の着工から逆算して、1〜2か月前に片付けを終える

親が亡くなった後の実家を解体する場合は、片付けと解体の順番を間違えないようにしましょう。一般的な流れは次のとおりです。

順番作業内容目安の時期
1相続人の確認、遺言書の有無の確認、相続放棄の判断亡くなってから3か月以内に判断
2貴重品・重要書類の捜索と回収片付け業者に頼む前に
3形見分けと、残すものの選別家族で日程を決めて集まる
4遺品整理業者・片付け業者への依頼、不用品の処分解体着工の1〜2か月前に完了
5解体業者への見積もり依頼と契約家財が空になってから
6電気・ガス・水道の停止、解体工事着工に合わせて手続き

順番を間違えるとどうなるか

解体の契約や着工が先に進んでしまうと、貴重品の捜索が間に合わなくなり、通帳や権利証が見つからないまま処分してしまう危険があります。遺品整理業者に頼む場合は、家財の仕分けを始める前に、貴重品を探す時間を取ってもらい、探した結果を共有してもらう取り決めをしておくと安心です。

解体業者の見積もりは、家財を出す前でも取れますが、金額が確定するのは家財が空になった後です。工期や費用の見通しを早めに立てたい場合は、先に見積もりだけ取っておき、片付けが終わったら条件を再確認する進め方があります。

解体工事までの期間を逆算する

解体業者に契約してから着工まで、1か月から2か月ほどかかるのが一般的です。工事の前には、近隣へのあいさつ、建設リサイクル法の届出、電気やガスの停止、アスベストの事前調査などの準備が必要です。

片付けは、これらの準備が始まる前に終わらせておくと、スケジュールに余裕が生まれます。遠方にお住まいなら、休みを調整して、数日間まとめて作業できる日程を早めに押さえておきましょう。

実家の片付け業者の費用相場

貴重品の探し方と見落としやすい場所

この章のポイント

  • 通帳・印鑑・権利証・保険証券は優先して探す
  • 仏壇、タンス、冷蔵庫、本の間にも注意
  • 業者に任せる場合は、貴重品が出たら報告する約束をしておく

家の中を一つずつ見ていくと、思いがけない場所から現金や書類が見つかることがあります。親世代は、貴重品を一か所にまとめず、分散して保管している方も少なくありません。

探すもの見つかりやすい場所注意点
通帳・キャッシュカード・印鑑タンスの引き出し、仏壇の引き出し、手提げ金庫古い通帳や使っていない口座も確認する
現金・貴金属衣類のポケット、布団の下、冷蔵庫や米びつの中、本の間封筒に入れて隠してあることもある
権利証(登記識別情報通知)・契約書金庫、書類ケース、押入れの天袋土地や建物の名義の確認に必要
保険証券・年金関連の書類電話台の引き出し、書類棚、郵便物の束請求できる保険金が残っている場合がある
株や投資信託の取引報告書郵便物の束、書類ケースネット証券は、スマホやパソコンの中にあることも
スマートフォン・パソコン机の引き出し、かばんの中ネット銀行や電子マネーの手がかりになる

郵便物とカレンダーは手がかりの宝庫

郵便受けに届いている請求書や案内状、引き出しにたまっているダイレクトメールは、取引のある金融機関や保険会社、会員サービスを知る手がかりになります。家に貸金庫の契約書や鍵があれば、金融機関に貸金庫を契約している可能性があります。

古い通帳は、記帳された引き出しや振り込みの記録から、ほかの口座や保険、年金の存在に気づけることもあります。手間はかかりますが、作業の最初に目を通しておくと、後で慌てずに済みます。

貴重品が出たら、その場で別にする

作業の途中で見つかった貴重品や思い出の品は、袋や箱を決めて、その場で分けてください。片付け業者に任せる場合は、見積書や契約書に「貴重品が見つかったときは別に保管して報告する」という一文を入れてもらうか、家族が立ち会える日程を選ぶと、トラブルを防げます。

処分前に知っておきたい注意点

この章のポイント

  • 相続放棄を考えているなら、勝手に処分しない
  • 家電4品目はリサイクル券が必要
  • 仏壇・写真・人形は供養の方法を決めておく

相続放棄を考えているなら、家財の処分は慎重に

亡くなった親の財産を相続するかどうかは、原則として、相続の開始を知ったときから3か月以内に決めなければなりません。相続財産を処分してしまうと、民法の規定で、相続を承認したものとみなされることがあります。

親に借金が残っている可能性がある場合や、相続放棄を検討している場合は、価値のある家財を勝手に処分したり、売ったりしないでください。迷ったときは、先に弁護士や司法書士に相談しましょう。

家電4品目と、処分できないものがある

エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は、家電リサイクル法の対象で、粗大ごみとして出せません。購入した販売店や自治体が案内する方法で、リサイクル券を使って引き取ってもらいます。

灯油、ガスボンベ、消火器、農薬、バッテリー、塗料などは、自治体のごみとして回収されない場合があります。処分方法は自治体ごとに決まっているため、ホームページや窓口で確認しましょう。

仏壇・位牌・写真・人形の扱い

仏壇や位牌、神棚、人形、アルバムは、捨てることに抵抗を感じる方が多い品物です。菩提寺や地元の神社、供養を行う専門業者に相談し、供養やお焚き上げを依頼する方法があります。費用は品物の数や大きさで変わり、仏壇の閉眼供養はお布施として数万円が目安です。

家族で意見がまとまらないものは、無理に処分せず、一時的にトランクルームや親族の家に預けておく選択肢もあります。解体の日程までに結論を出さなくても、先送りできる方法を用意しておくと、気持ちの負担が軽くなります。

買い取ってもらえるものを探す

着物、ブランド品、貴金属、骨董品、古い切手、カメラなどは、買い取りで価値がつくことがあります。遺品整理業者の中には、買い取り額を作業費から差し引いてくれるところもあります。金額は状態や需要で変わるため、過度な期待はせず、複数の業者に見てもらうと安心です。

家財の片付けと解体の費用を抑えるコツ

この章のポイント

  • 家財の処分と解体は、別々の業者で見積もりを取る
  • 自治体の補助制度を調べる
  • 早めに動いて、焦って決めない

費用を抑えるには、家財の処分と建物の解体を、それぞれ比べて決めるのが基本です。まず、家財をすべて出した状態で、解体業者に見積もりを取ります。次に、片付け業者の見積もりを複数集め、総額で比べます。

自治体によっては、空き家の片付けや家財の処分費用を一部補助する制度があります。対象や上限は自治体ごとに違うため、解体の補助金とあわせて、市区町村の窓口で確認してください。申請は、工事や作業を始める前に行うのが一般的です。

解体業者を選ぶときは、解体工事の一括見積もりサービスを使うと、複数社の条件を同じ基準で比べやすくなります。

解体前の家財の片付けについてよくある質問

家財が残ったままの家を、そのまま解体してもらえますか?

業者によっては対応してもらえますが、家財の処分費用が割高になりやすく、貴重品を取り出す時間もありません。できるだけ事前に片付け業者へ依頼するか、自分で片付けて、空の状態で依頼するほうが安心です。

遺品整理業者を選ぶときのポイントは何ですか?

一般廃棄物の収集運搬の許可を持っているか、許可を持つ業者と提携しているかを確認しましょう。見積書で料金の内訳が分かること、追加料金の条件が示されること、貴重品が出たときの対応が決まっていることも大切です。

遠方に住んでいて、立ち会えない場合はどうすればよいですか?

作業前に貴重品と残すものを自分で選別しておき、業者には鍵を預けずに、立ち会える日程を調整するのが安心です。難しい場合は、作業前後の写真や動画を共有してもらい、貴重品が出たときの連絡方法を決めておきましょう。

家財の処分をしないまま、親の家を売却できますか?

家財が残ったままでも売却自体は可能ですが、買い手が見つかりにくくなる場合や、売却後の処分費用を請求される場合があります。売却予定の家は、不動産会社に相談し、家財の扱いを契約前に決めておきましょう。

解体前の家財・残置物の片付けについてまとめ

この記事のポイントをまとめます。

ポイント

  • 家財は一般廃棄物の扱いで、解体業者に任せると外注分が上乗せされ割高になりやすい
  • 自分で処分すれば2万〜15万円、業者に頼めば間取りに応じて10万〜60万円ほどが目安
  • 解体業者の見積もりは、家財をすべて出した状態で取るのが基本
  • 順番は貴重品の捜索、形見分け、遺品整理、解体の契約の流れ
  • 通帳・印鑑・権利証などは、仏壇やタンス、本の間、冷蔵庫など意外な場所も探す
  • 相続放棄を考えているなら、価値のある家財を勝手に処分しない
  • エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象で、粗大ごみに出せない
  • 許可のない不用品回収業者は避け、自治体の補助制度も確認する

家財の片付けは、解体の費用にも、家族の気持ちにも大きく関わります。時間に余裕を持って、一つずつ進めていきましょう。

費用や手続きは、地域や業者によって異なります。詳しいことは、市区町村の窓口や、複数の業者の見積もりで確認してください。

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この記事を書いた人

私の実家はいわゆるゴミ屋敷です。
私の母は物への執着が強く、その結果、私の実家は物で溢れていました。この環境で育った私は、物に囲まれた生活のストレスを経験し、物への執着を手放すことが重要だという価値観になりました。
「手放しのススメ」では、物質的な執着を手放し、シンプルな生活を目指す旅を共有します。
一緒に、もっとシンプルで心地よい生活を目指しましょう。

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