新しい物に付け替えて外した古い郵便ポスト、錆びて扉が閉まらなくなった門柱のポスト、名字が変わって使わなくなった表札、実家の片付けで出てきた石の表札。郵便ポストと表札は、毎日目にする物なのに、いざ処分しようと思った段階で「何ごみで出すのか」「名前が書かれた物をそのまま捨てていいのか」「壁や門柱からどう外すのか」と迷う人が多い品目です。
知恵袋などのQ&Aサイトでも「表札を普通のごみに出すのは気が引ける」「石の表札は何ごみ?」「壁に付けたポストを外したら穴が残った」「実家が空き家になるが、表札とポストはそのままでいい?」といった相談がよく寄せられています。家の顔ともいえる物なので、外し方と出し方に加えて、名前や住所の扱い、外したあとの郵便物の受け取りまで考えておくことが大切です。
郵便ポストと表札の捨て方は、素材と大きさに合わせて、自治体の区分で金属ごみや不燃ごみ、粗大ごみなどに出すのが基本です。表札は名前が書かれているため、文字が読めないようにしてから出すと安心です。門柱や塀に埋め込まれた物、コンクリートで固定された物は、外構の業者に取り外しを頼む方法もあります。
本記事では、ポストと表札の素材ごとの区分、名前の消し方、気持ちの面で捨てにくい場合の手放し方、壁や門柱からの外し方、外したあとの穴の始末、郵便物の受け取りの切り替え、賃貸の集合ポストでの注意点、実家が空き家になる場合の考え方まで、順に解説します。

郵便ポストは何ごみ?素材と大きさで変わる区分
この章のポイント
- 区分は住んでいる自治体のルールで決まる
- 金属の物は金属ごみや不燃ごみ、樹脂の物はプラスチックごみや不燃ごみになりやすい
- 袋に入らない大きさや、支柱付きの物は粗大ごみになりやすい
郵便ポストのごみの区分は、住んでいる自治体のルールで決まります。自治体のごみ分別辞典や分別アプリで「郵便受け」「ポスト」と検索すれば、区分と出し方が分かります。分別辞典では「郵便受け」の名前で載っていることが多いので、両方で探してみましょう。
ポストは、スチール、ステンレス、アルミなどの金属で作られた物と、樹脂(プラスチック)で作られた物が中心です。素材によって、金属ごみ、不燃ごみ、プラスチックごみなどに分かれ、指定の袋に入らない大きさの物や、地面に立てる支柱が付いた物は粗大ごみになることが一般的です。
| 種類 | 区分の例 | 出す際のポイント |
|---|---|---|
| 壁掛けのポスト(金属) | 金属ごみ・不燃ごみ・粗大ごみ | 鍵やダイヤル錠の番号を確かめ、中を空にする |
| 壁掛けのポスト(樹脂) | プラスチックごみ・不燃ごみ・可燃ごみ | 金属のねじや金具が付いていれば外す |
| 支柱付きのスタンド式ポスト | 粗大ごみ | 支柱を外せる物は分けて、長さを測って申し込む |
| 門柱や塀に埋め込まれたポスト | 収集の対象外になることが多い | 外構の業者に取り外しと処分を頼む |
| 宅配ボックス一体型のポスト | 粗大ごみ | 電気を使う物は、電池や配線を外しておく |
| 取り付けのねじ・金具 | 金属ごみ・不燃ごみ | 小さな物は袋や缶にまとめて出す |
同じポストでも、壁から外した本体だけを出すのか、支柱や台と一緒に出すのかで、扱いが変わります。支柱付きの物は、支柱と本体を分けられれば、本体だけを不燃ごみで出せる場合もあるので、分解できるかどうかを確かめてから出し方を決めましょう。
表札は何ごみ?素材ごとの出し方
この章のポイント
- 天然石・陶器・タイルの表札は不燃ごみになりやすい
- 木の表札は可燃ごみになりやすい
- 金属やアクリル、ガラスの表札は素材に合わせて分ける
表札も、素材によって区分が変わります。表札は、天然石、陶器やタイル、木、ステンレスや真鍮などの金属、アクリルなどの樹脂、ガラスと、さまざまな素材で作られています。分別辞典で「表札」と検索し、載っていない場合は、素材の名前で区分を確かめましょう。
| 素材 | 区分の例 | 出す際のポイント |
|---|---|---|
| 天然石(御影石など) | 不燃ごみ・粗大ごみ・収集の対象外 | 重い物や大きい物は、清掃事務所に出し方を聞く |
| 陶器・タイル | 不燃ごみ | 割れた物は紙で包んで「キケン」と書く |
| 木 | 可燃ごみ | 金具を外して出す |
| ステンレス・真鍮などの金属 | 金属ごみ・不燃ごみ | 角がとがった物は紙で包む |
| アクリル・樹脂 | プラスチックごみ・不燃ごみ・可燃ごみ | 自治体のプラスチックの扱いで変わる |
| ガラス | 不燃ごみ | 割れないように新聞紙で包む |
天然石の表札は、重さがあるため、自治体によっては家庭のごみとして受け付けていないことがあります。分別辞典に載っていない場合や、収集の対象外と書かれている場合は、清掃事務所に問い合わせるか、石材店や外構の業者に引き取りを相談しましょう。
よくある相談の例
郵便ポストや表札の処分について、Q&Aサイトなどでよく見られる相談には、次のような物があります(内容は一般的な相談を要約した例です)。
- 名前が書かれた表札を、普通のごみとして出すのは気が引ける
- 門柱に埋め込まれた石の表札を外したいが、どうすればいいか分からない
- 壁掛けのポストを外したら、ねじの穴が残ってしまった
- 実家が空き家になるが、表札とポストはそのままにしておいていいのか迷っている
- 集合住宅のポストに貼った名前のシールを、引っ越しの前にはがしたい
どの相談も、外し方と出し方に加えて、名前の扱いと外したあとの暮らし方を先に決めておくと、落ち着いて進められます。次の章から、順に見ていきましょう。
表札の名前は読めないようにして出す
この章のポイント
- 名前や住所が分かる物は、そのまま出さない
- 文字の部分をテープやシールでおおう
- 木や樹脂の物は、文字を削ったり塗りつぶしたりする
表札には、家族の名字や名前が書かれています。ごみとして出したあとに、誰かの目に触れることを考えると、文字が読めないようにしておくと安心です。住所や部屋番号が入った物は、特に気をつけましょう。
素材に合わせた消し方
石や陶器の表札は、文字の部分を布のガムテープや、はがれにくいシールでおおいます。木や樹脂の表札は、油性のペンや塗料で文字を塗りつぶすか、紙やすりで削ると読めなくなります。金属の表札で、文字が板に彫られている物は、ガムテープで両面を巻いておくのが手軽です。
割ってから出す場合の注意
陶器やタイルの表札を割ってから出す方法もありますが、破片が飛び散ってけがをすることがあります。割る場合は、厚手の布や新聞紙で包み、軍手と保護めがねを着けて作業しましょう。割った物は、紙で包んで袋に入れ、外から分かるように「キケン」「ワレモノ」と書いておきます。無理に割らなくても、文字をおおうだけで十分な場合がほとんどです。
捨てにくい表札の手放し方
この章のポイント
- 長く掲げた表札は、家族の思い出が詰まった物
- 神社や寺で、お焚き上げや供養を受け付けていることがある
- 写真に残してから手放すと、気持ちの整理がつきやすい
長く掲げていた表札は、家族が暮らしてきた年月を見守ってきた物です。親が家を建てたときに作った表札や、亡くなった家族の名前が入った表札は、ごみとして出すことにためらいを感じる人も少なくありません。
神社や寺に相談する
気持ちの面で捨てにくい場合は、近くの神社や寺に、お焚き上げや供養を受け付けているか問い合わせてみましょう。木の表札は受け付けていても、石や金属の物は受け付けていないなど、扱いは神社や寺によって違います。受け付けの日や、納める際の費用の有無も確かめておきます。お守りや神棚の手放し方と同じく、決まりは場所ごとに違うので、先に聞いておくと安心です。
写真に残してから手放す
表札を手放す前に、家の門や玄関に掲げた姿を写真に残しておくと、思い出を手元に残せます。家族で写真を共有しておけば、離れて暮らす兄弟姉妹とも思い出を分け合えます。小さな表札であれば、そのまま手元に残し、思い出の品として保管するのも一つの方法です。
郵便ポストと表札の外し方
この章のポイント
- ねじで留めた物は、ドライバーで外せる
- 接着剤で貼った物は、無理にはがさない
- 埋め込みやコンクリートで固定された物は、外構の業者に頼む
郵便ポストと表札の外し方は、取り付け方によって違います。ねじで留めた物は自分で外せることが多いのですが、接着剤やコンクリートで固定された物は、無理に外すと壁や門柱を傷めることがあります。
ねじで留めたポスト
壁掛けのポストは、扉を開けた内側から、ねじで壁に留められていることが多くあります。中を空にしてから扉を開け、ドライバーでねじをゆるめて外しましょう。錆びてねじが回らない場合は、潤滑剤を吹き付けてしばらく置くと、回りやすくなります。外したポストは重さがあるので、足元に落とさないよう、片手で本体を支えながら作業します。
スタンド式のポスト
地面に立てるスタンド式のポストは、支柱を地面に埋めているか、重しの台に差し込んでいるかで外し方が変わります。台に差し込んだだけの物は、本体と支柱、台を分ければ運べます。支柱をコンクリートで地面に固めている物は、掘り起こすのに手間がかかるため、外構の業者に相談しましょう。
接着剤で貼った表札
表札は、壁や門柱に接着剤や両面テープで貼り付けられていることがあります。無理にはがせば、壁の表面や塗装まで一緒にはがれることがあるので、隙間に薄いへらや糸を差し込み、少しずつ接着部分を切り離していきます。はがれにくい場合は、外構や塗装の業者に頼むと、壁を傷めずに済みます。
門柱や塀に埋め込まれた物
門柱や塀に埋め込まれた表札やポストは、まわりのコンクリートやモルタルを削らないと外せません。自分で削ると、門柱にひびが入ったり、形が崩れたりすることがあるので、外構の業者に取り外しと処分をまとめて頼みましょう。新しい物に付け替える場合は、取り外しと取り付けを一緒に頼むと、手間も費用も抑えやすくなります。
外したあとの穴と壁の始末
この章のポイント
- 壁に残ったねじの穴は、ふさいでおく
- 外壁の穴から雨水が入らないようにする
- 賃貸の部屋なら、管理会社に伝える
ポストや表札を外したあとの壁には、ねじの穴や、接着剤の跡が残ります。外壁に残った穴をそのままにしておくと、雨水がしみ込んで、壁の中を傷める原因になることがあります。
小さなねじの穴は、ホームセンターで売っている外壁用の補修材や、コーキング材でふさいでおきましょう。新しいポストや表札を同じ場所に付ける場合は、元の穴を使えるかどうかを先に確かめておくと、新しく穴を開けずに済みます。穴が大きい場合や、外壁にひびがある場合は、外壁や塗装の業者に相談しておくと安心です。
外したあとの郵便物の受け取り方
この章のポイント
- ポストを外す前に、新しい受け取り方を決めておく
- 引っ越しなら、郵便局に転居届を出す
- 宅配便の受け取りも、あわせて見直す
郵便ポストを外したまま新しい物を付けずにいると、郵便物が届いても受け取る場所がなくなります。外す前に、新しいポストを付けるのか、別の場所で受け取るのかを決めておきましょう。
引っ越しの場合は転居届を出す
引っ越しで今の家を離れる場合は、郵便局に転居届を出しておくと、旧住所に届いた郵便物を、届け出の日から1年間、新しい住所に転送してもらえます。転居届は、郵便局の窓口のほか、インターネットでも手続きができます。転送の期間が過ぎる前に、銀行や保険、通販などの登録の住所を新しい住所に変えておきましょう。
宅配便の受け取りも見直す
ポストと一緒に宅配ボックスを外す場合や、ポストの大きさが変わる場合は、宅配便の受け取り方も見直しておきます。不在のときの受け取り方を決めておくと、再配達の手間を減らせます。
賃貸や集合住宅のポストと表札
この章のポイント
- 集合ポストは建物の設備なので、外したり捨てたりしない
- 自分で貼った名前のシールは、退去の前にはがす
- ダイヤル錠の番号は、管理会社の案内に従う
マンションやアパートの集合ポストは、建物の設備です。古くなったり、扉が壊れたりしても、自分で外したり交換したりせず、管理会社や大家に連絡しましょう。
名前のシールや表札
自分で集合ポストや玄関のドアに貼った名前のシールや表札は、退去の前にはがして片付けておきます。シールの跡が残った場合は、ぬるま湯を含ませた布でふやかしてから拭き取ると、きれいに落ちることがあります。強い溶剤を使うと塗装を傷めるので、落ちにくい場合は管理会社に相談しましょう。
ダイヤル錠の番号
集合ポストにダイヤル錠が付いている場合、退去のときに番号を元に戻すのか、そのままでいいのかは、管理会社の案内に従います。入居のときに受け取った書類に書かれていることが多いので、確かめておきましょう。
実家の片付けで出てきたポストと表札
この章のポイント
- 物置に、付け替えたときの古いポストや表札が残っていることがある
- 空き家になる場合、表札とポストをどうするかは家の今後と合わせて決める
- 郵便物がたまると、空き家だと分かりやすくなる
実家の片付けでは、物置や押し入れから、付け替えたときに外した古いポストや表札、取り付けのねじや金具が出てくることがあります。素材ごとに分けて、自治体の区分に沿って出しましょう。古い表札に祖父母の名前が入っている場合は、親や兄弟姉妹に残したいかを聞いてから手放すと、あとで気まずい思いをせずに済みます。
空き家になる場合の表札とポスト
親が施設に入るなどで実家が空き家になる場合、表札とポストをどうするかは、家の今後と合わせて考えます。表札をすぐに外すと、住む人がいないことが外から分かりやすくなり、防犯の面で心配が増えることがあります。家の管理を続ける間は、表札はそのままにしておく家庭も多くあります。
郵便物をためないようにする
空き家のポストに郵便物やチラシがたまっていると、長く人が出入りしていないことが外から分かってしまいます。親の住所に届く郵便物は、郵便局の転居届で家族の住所に転送する、ポストの投入口をふさいでチラシお断りの表示をするなど、郵便物がたまらない工夫をしておきましょう。家の管理に通う家族が、そのたびにポストを確かめるのも大切です。
家の今後を早めに決める
住む人のいない家は、傷みが早く進みやすく、庭の手入れや防犯の見回りなど、管理の手間もかかります。家を売る、貸す、解体して土地として活かすなど、家の今後の方針を早めに家族で話し合っておくと安心です。解体を考える場合は、表札やポスト、門柱や塀も含めて工事の範囲を確かめ、費用の目安を先に調べておくと、話し合いが進めやすくなります。
郵便ポストと表札の処分についてよくある質問
郵便ポストは何ごみで出す?
素材と大きさで変わります。金属の物は金属ごみや不燃ごみ、樹脂の物はプラスチックごみや不燃ごみになりやすく、袋に入らない大きさや支柱付きの物は粗大ごみになるのが一般的です。分別辞典で「郵便受け」「ポスト」と検索して確かめましょう。
表札はそのまま捨ててもいい?
ごみとして出すことはできますが、名前や住所が読めないようにしてから出すと安心です。石や陶器の物は文字の部分をガムテープでおおい、木や樹脂の物は文字を塗りつぶすか削ります。
石の表札は何ごみ?
不燃ごみや粗大ごみとして出せる自治体もありますが、重さがあるため収集の対象外にしている自治体もあります。分別辞典で確かめ、出せない場合は清掃事務所や石材店、外構の業者に相談しましょう。
表札を捨てるのに気が引けます。どうすればいい?
近くの神社や寺に、お焚き上げや供養を受け付けているか問い合わせる方法があります。受け付ける素材や費用は場所によって違うので、先に確かめておきましょう。写真に残してから手放すのも、気持ちの整理につながります。
門柱に埋め込まれたポストや表札は自分で外せる?
まわりのコンクリートやモルタルを削る必要があり、門柱を傷めるおそれがあるため、外構の業者に取り外しと処分を頼むのが安心です。新しい物に付け替えるなら、取り付けと一緒に頼むと手間が減ります。
実家が空き家になるとき、表札とポストはどうする?
表札をすぐに外すと住む人がいないことが分かりやすくなるため、家の管理を続ける間はそのままにしておく家庭も多くあります。郵便物は転居届で家族の住所に転送し、ポストに郵便物やチラシがたまらないようにしておきましょう。
郵便ポストと表札の捨て方についてまとめ
郵便ポストと表札は、素材と取り付け方によって外し方と出し方が変わり、名前や郵便物の扱いにも気を配る必要があります。最後に、要点を振り返っておきましょう。
郵便ポストと表札は、家と家族の名前を表す物です。外し方と出し方、名前の扱いを確かめたうえで手放し、次の暮らしや家の今後につなげましょう。